高校3年理系必修選択「生物」最終授業も実験で締めくくる (2017.11.30)

 11月も今日で終わり、本校のすぐ下に位置する都立桜ヶ丘公園の紅葉、取り分けイロハモミジの紅葉は実に鮮やか、初冬の朝日に照らされ美しく輝いておりますが、それもつかの間、やがて枯れ木の冬景色となるのも間もないことかと名残惜しく思っております。明後日(12/2)からの期末考査を目前にして、各学年、教科とも今学期の集大成として1時間1時間気合いの入った授業が展開されておりますが、本日は高3生の実質的に最後の授業にもかかわらず、実験をやるという有岡教頭の意気込みに引かれて、理系生徒の必修選択科目となっている「生物」の授業を参観致しましたので、以下にご紹介致します。

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 高校3年生の理科は、物理・化学・生物の3科目からの選択で、文系で国公立を志望する生徒は、「生物基礎・地学基礎」、「生物基礎・化学基礎」のいずれかを各2単位自由選択とし、理系の生徒は、それぞれ専攻分野によって、必修或いは自由選択として、「物理」(4単位)「物理特論」(2単位)「化学」(4単位)「化学特論」(2単位)「生物」(4単位)「生物特論」(2単位)の6科目の中から選択しております。「生物」については、受験科目として使う生徒の中には、必修・自由両方選択している生徒が多く、授業に対する姿勢も極めて積極的かつ真面目で、本時の場合も各班4名(1班のみ欠席者もいて2名)ずつで基本男女半々の構成でしたが、さすがに今までの蓄積もあり、先生の指示によりてきぱきと実験をこなしていたのが印象的でした。

 本時の実験は、「葉緑体の単離と光合成電子伝達反応」という難しい単元で、有岡教頭によると、首都大学の松浦先生からの直伝で、高校生にはかなりハイレベルの実験(この辺で生徒の知的好奇心をくすぐっておりました)ということでしたが、2時間連続、休みなしの実験を、班員それぞれ協働してしっかりやり遂げておりました。実験の目的としては「ホウレンソウの葉から葉緑体を抽出し、光合成における電子伝達反応をDCIP(2,6-ジクロロフェノールインドフェノール)を用いて測定する。」というもので、昨夜遅く近隣のスーパーで、新鮮なホウレンソウを購入してきた話から始まり、生徒を如何にこの実験に興味・関心を持たせつつ意欲的に取り組むかの動機付けということか、昨日のうちにこの実験のために事前の準備、取り分け調整液を作るために様々な溶液を準備してきたにもかかわらず、実験直前に肝心のビーカーにヒビが入り、慌てて調整液を作り直したという自らの失敗談でひとしきり笑わせた後、葉緑体の単離に向けて実験が始まりました。作業工程は①から⑫まであり、かなり複雑なものですので、ここではとても紹介しきれませんが、その過程においては、各班単位であらかじめ役割分担を決めてということではなく、相互に話し合いをしながら手順に則りしっかり進めて行きました。見ていて面白かったのは、マイクロチューブに入れた葉緑体入りの溶液を遠心分離器にかけて、上澄みと葉緑体とを分離させる工程で、上澄みを棄てながら繰り返すことで、ミトコンドリアなどの混ざりけのない葉緑体が分離されるということでした。理想的には葉緑体だけが残っていると良いのだが、という補足説明が入り、全班のマイクロチューブを3本に集約し、最終的な単離作業として15秒遠心分離器にかけて更に上澄みを棄てた後、各班4本のマイクロチューブに分け、A,B,C,Dそれぞれのチューブに各種溶液等を入れ、かなり強度の蛍光灯の光を当てて、チューブ内の溶液の色の変化を観察致しました。ポイントは、DCIPの藍色が時間の経過と共に、どのように変化していくかに注目することとなりますが、1本だけアルミホイルにくるんだチューブのみ、色に変化が現れないのはなぜか、ということから、光合成、つまり光がないと電子伝達系が働いていないということに気付かせます。最後に、単離した葉緑体一滴をスライドガラスに取り、カバーガラスをして顕微鏡で観察しておりましたが、美しい緑模様に思わず「おおー」という喚声が上がっていたのは印象的でした。常日頃から「本物に触れて本質に迫る教育」を標榜していることから、高校3年生の最終授業に至るまで、実験を通じて本物に触れさせる、そのことによって多様な仲間達と感動を共有させることに徹した授業と見受けました。

 もちろん、実験終了後には、その結果の振り返りを各自プリントに埋めていく作業が仕組まれており、観察結果をまとめると共に、結果の考察もグループ内で相談しながら、各自で記載していくことで、主体的、協働的(対話的)にして深い学びに繋がっていく様子が垣間見られました。感想までほぼ書き上がったところで、有岡先生の実質最後の授業ということもあり、現役で各自志望している大学への合格を期待しているとして、現役の場合、これから入試本番までの期間が一番伸びる時期であると、数十年前の自らの体験を踏まえながらしみじみ語ってくれました。最後の授業という意識は生徒間にも十分に伝わり、先ほどまでの実験作業でのガヤガヤ感もどこへやら、みんな神妙に聴き入っておりました。現役は最後の最後まで諦めることなく自分を信じてひたすら頑張れ、と言ったところでチャイム、最後の挨拶の号令をかける生徒からは万感の思いを込めて、「いつまでも名残惜しいですが、2学期間有難うございました」という一声こそ、教師冥利に尽きる瞬間であったと思うにつけ、教壇に立つことなく久しく時間が経ってしまった者にとっては羨ましいの一言に尽きました。

 

興味と関心を引き出す

興味と関心を引き出す

探究こそが授業の本

探究こそが授業の本

 

中学1年「社会」日本史、巧まざるアクティブ・ラーニング (2017.11.25)

 11月もあと5日となり、本校では期末考査も目前、今日から定期考査前1週間ということで、放課後の部活動も一部試合前等の理由で特別活動する部もありますが、全体的には一旦停止、各学年とも一斉に試験態勢に突入致します。今週は21日(火)に二コマ参観しその記録を掲載致しましたが、今日は、11月11日(土)の中学1年の社会科地理的分野に続いて、同じく社会科の歴史的分野(日本史)の授業を参観しましたのでご紹介致します。これで中学1年生の主要教科については、理科第1分野(物理・化学)(非常勤講師の先生担当)を除き、専任教員による授業参観は全て終了となります。

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 前回もご案内の通り、本校の中学社会科は、週4時間ありますが、それを地理的分野と歴史的分野とに分け、それぞれ2時間ずつ、それぞれの分野の専門教員が担当しております。本時は、日本史専門の藤永教諭による、単元としては「武家政権の成立と執権政治」と題する授業で、本時の前半は、主として鎌倉時代初期1221年に起こった「承久の乱」について、後鳥羽上皇側についた朝廷軍と、鎌倉幕府側の武士団との戦力の比較並びに、武士の士気を高からしめて有名な北条政子の演説を資料で確認させながら、圧倒的な戦力を持って幕府軍が勝利した理由を考えさせたうえで、乱平定後の処置・措置などに言及し、執権政治の基盤が盤石なものとなる経緯についてまとめていきました。その過程では、先生の次々に繰り出される発問に対して、特に誰か指名されて応えるのではなく、何人かの男女生徒が我先にと発言し、テンポ良く展開しておりました。発言の中には問いに対して極めて頓珍漢な的外れなものもありますが、それを先生の方で上手く交わしながら、最終的にはより適切な答えを導き出していくという手法は、見ている者も小気味よく、一緒にその流れの中にいつの間にか吸い込まれていくような感覚にさえ襲われました。具体的には、後鳥羽上皇が島流しになったのは隠岐の島、順徳上皇は佐渡島と続いたところで、夏休み中にサマーセミナーで訪れた生徒もいる佐渡島の話に結びつけ、体験学習と上手くリンクさせることによって、記憶を遡っている生徒も見受けられました。戦後措置の一つとして、京都の朝廷を見張る役所としての六波羅探題を予め配付して置いたプリント(既に前時までに、侍所、政所、問注所など埋められている)に各自埋め込ませ、さりげなく幕府の機構についての知識も深めさせるという工夫が凝らされていました。また、幕府側の武士達への論功行賞として、上皇側から没収した荘園を分け与える事にも言及し、徐々に封建制度への意識高揚にも配慮されておりました。

 授業後半は「武士と民衆の生活」というプリントを配付、単に知識の確認のためだけの穴埋めプリントではなく、歴史的事実を確認しつつ、その因果関係等を考えさせながら必要事項を埋めていく内容で、各自主体的な作業の中に、前後左右の人と相談しながらつまり協働で埋めていくことも可とすることとし、自ずからアクティブ・ラーニング型授業となっておりました。形態を整えてのグループ学習もさることながら、平常の机の並びの状態でも十分にアクティブな活動を可能にすることが垣間見られましたが、中学1年という年代ならではの、まだどんどん自分から発言するという特性を上手く活用しながら、まさに教師と生徒の掛け合いを中心としたアクティブ・ラーニングの典型的なスタイルと受け止めました。要は30人それぞれがいかに主体的・能動的に課題を発見し、その答えを見出すべく相互に協働し合いながら、脳を活発に動かしているか、授業に集中的に取り組んでいるかが問題であろうかと思います。プリントの穴埋めがある程度終わったところで、まず武士の生活を住居の面から確認し、図面を見ながら、その特色を言わせつつ、さりげなく環濠集落という言葉や、犬追物、笠懸、流鏑馬などという中1にしてはまだ難解な用語を紹介し、歴史への知的好奇心をくすぐりながら、歴史に興味・関心を抱かせる工夫が凝らされておりました。先日(11/14付朝日)の新聞で、「教科書から消える? 脱暗記へ 入試用語半減提言」という見出しで、高校と大学教員らで作る「高大連携歴史教育研究会」による歴史用語の精選案が発表されておりましたが、中学段階からさりげなく難しい歴史用語も取り入れながら、知的好奇心を刺激することで抵抗なく難解な歴史用語にも馴染んでいくように思われました。高校の授業が暗記中心になっているからとか、知識を入試で問うのはいかがなものかなどと言って、歴史用語を半減するというのは余りに短絡的すぎないかと思います。近い将来いわゆる「大学入学共通テスト」の社会科の入試でも、暗記よりも思考力や表現力を重視するという傾向が強くなるようですが、平常の授業の中で、余り意識させることなく歴史用語に触れさせておくことは、若くて柔軟な頭脳の持ち主である中学生には必要不可欠なことと考えます。その他印象に残ったこととしては、武士の家のきまりとして、家のリーダー、つまり家督が亡くなった後の財産相続では、兄弟間の男女差別なく平等に分配するという話で、多くの生徒は男性有利と考えてしまっていたが、なぜ女性も同等であったかの問いで、女性は子孫を残せるから、という先生の答えで「あーそうか」という喚声が上がったところに、通常授業の中でのある種の感動的場面であったと思います。問いと答えの掛け合いの中で、核心に触れる問いかけで感動を共有できることこそ、みなが授業に集中している証しであると実感致しました。

新たな「気づき」が生まれる授業

新たな「気づき」が生まれる授業

史料や絵図から考える授業

史料や絵図から考える授業

 

中学1年「理科」、高校2年「国語表現」、本物に触れ本質に迫る教育 (2017.11.21)

 11月のこの時期にしては36年ぶりの寒波襲来とかで、昨日から猛烈な寒さが続いておりますが、本日、本校では午前中、25大学の入試担当の方々にお出で頂き、高2、3年生対象の入試出願相談会を実施致しました。高3生にとっては、まさに臨戦態勢、出願に際しての最終的な意思決定の機会、高2生には、いよいよ来年に迫った大学入試に向けての各教科の選択科目決定の参考にする機会と位置づけ、毎年この時期に設定しております。25大学の入試担当の皆様には、一般推薦、AO入試、さらには指定校推薦入試と各種推薦入試の実施時期で、お忙しさの真っ最中にも拘わらず、本校の「少人数できめの細かい指導」の一環としての進路行事にご協力頂き感謝申し上げております。

 今週は、期末考査(12/2~6)を間近に控え、各教科学期末の追い込みに入っている時期でもありますが、本日は最初に中学1年生の理科(生物)の授業、次に高校2年生の国語表現の二コマを参観致しましたので、以下にご紹介申し上げます。

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  本校の中学理科は、週4時間ありますが、それを第1分野(物理・化学)と第2分野(生物・地学)とに分け、それぞれ2時間ずつ、それぞれの分野の専門教員が担当しております。本時は、生物専門の有江教諭による「シダ植物とコケ植物」と題する授業で、その目的は「花の咲かない植物であるシダ植物とコケ植物を観察し、からだの作りを理解する」というもので、本校理科の特色でもある「本物から本質に迫る教育」の一端を垣間見ることが出来ました。有江教諭は、今春大学を卒業し、本校に赴任したピカピカの1年生教員ですが、その若さとパワーには定評があり、まだまだ無邪気さの抜けきらない中学1年の生徒を相手に、びしばしと指示を出し、緩急自在の授業展開の中で、聞くべき所はしっかり聞かせ、話し合いの場面では思う存分生徒に喋らせ、集中力が続かないような生徒には折々に発散させる時間帯も設け、最終的には本時の目的をしっかり把握させる工夫に富んだ授業と見受けました。

 本日は、まず、シダとコケの本物を見せ、それを各自スケッチするところから授業が始まりました。生物実験室での授業は、4~5人のグループ編成となっており、各班単位で、思い思いにスケッチさせながら、机間巡視を繰り返し、さりげなくその相違点に注目させ、話は徐々に植物の進化の過程に進んでおりました。本校の理科の授業では、中学3年間で100を越える実験・実習を実施することから、各学年2時間続きとなっており、実験・実習の後には必ず振り返りを含めたまとめの時間が入りますので、生徒が実験・実習に取り組んでいるところで、先生は次の仕掛けを考えて話を進めていきます。それぞれのスケッチが終わったところで、本物を見ながら各自描いたスケッチを参考に、両者の相違を説明して、シダ・コケ植物の本質を探究させておりました。ここで要領よくまとめられた課題プリントを配付し、1時間目の整理をさせつつ、2時間目にはより具体的に、「根・茎・葉の区別があるか?」「維管束の有無」「水分の吸収方法」などの相違に注目させながら、いつの間にか植物の進化の過程に話が及び、藻類、シダ類、コケ類のみならず、既習事項でもある裸子植物、被子植物にもう一度光を当てて、植物全体の進化の過程とその特色をしっかり確認させるという授業の流れでした。藻類からコケ類への最大の変化は陸に上がったこと、シダ類から裸子植物への変化では、植物界の大革命が起こった、つまり「種子」が出来、シダ類までの胞子で増えていた時代とは違って、種子で大量に増えることが出来たというあたりで、生徒から「おおー」というような喚声が上がり、笑顔と感動を共有しておりました。

 授業形態としては、教室の特性からグループ編成で展開しておりますが、プリントによる課題が与えられてから、まず一人ひとりが自主的・主体的に課題に取り組む時間を取り、その後、各グループ内、多様な仲間達と教え合ったり学び合ったりの話し合いを経て、最終的には協働して課題解決に結びつける事により、主体性・多様性・協働性の涵養に繋げ得ていたのではないかと思いました。その間に、確かな知識・技能を教え込む時間帯もあり、ともすればまだまだ落ち着きのない子供達の興味・関心を喚起しながら、学習に集中して取り組む時間と、班員とおしゃべりしてでも授業に飽きさせないような工夫も見られ、結果として、動物の進化とも比較しながら植物の進化という大命題に切り込んでいこうとする意欲的な授業で、久しぶりに私自身、知的好奇心を搔き立てられ、枯渇した感性も、コケ植物がからだ全体で水分を吸い上げるように、多少瑞々しさを取り戻せたような気が致しました。

各自でシダ,コケの観察

各自でシダ,コケの観察

「まとめ」は難しい?

「まとめ」は難しい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして今日の2コマ目、6時間目に高校2年生の国語科選択科目「国語表現」の授業を参観致しました。実施科目等は以下の通りです。

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  佐野彩雪教諭も今春赴任してきたばかりの女性教員ですが、本校の卒業生でもあり、若さの割には落ち着いた物言いで、じっくりしっかり確かな学力と豊かな人間性を身に付けさせるべく日々健闘してもらっております。本日は、東京自由が丘にある「自由が丘デパート」のご協力を得て、当該デパートの入り口パネル及び館内ポスターの企画・提案・作成を通じて、確かで豊かな国語力を身に付けさせたいという試みの授業実践でした。学校外の団体との綿密な打合せをもとに、グループで話し合い、街のニーズに応じた企画を立て、更に発信する表現力を養う、というのがこの授業の目的ですが、全体で9時間の構成となっており、事前に2時間、身の回りの商業施設の広告調査及び自由が丘デパートについて質問リストを作成した上で、去る11月7日(火)、実際に現地に出向き、デパートの事務局からデパートの概要と企画内容についての説明を受けると共に、企画箇所の確認と館内見学をすることで、各自如何にお客さんに訴える力を持つポスターを作るかのイメージを膨らませて来ました。その後の3時間、自由が丘デパートを言葉で表現する作業、具体的には、各自のイメージの集約とテーマ決め、テーマに沿う言葉集め、そしてテーマ毎のチーム分け・話し合いを経て本時に至りました。本時は、まず各班単位で、現段階で目指しているポスターのイメージについて確認した後、事務局側にテレビ電話を活用して発表、事務局の小林様に聞いて頂き、質疑応答を経ていよいよ今後の企画の方向性を確定するという内容でした。スカイプといういわばICT活用授業のほんの一端を垣間見させて頂きましたが、班代表として発表する生徒には緊張感もあり、当初声が小さくて小林様にはよく聞き取れなかったようですが、徐々に順調なやりとりが出来ホッと致しました。今後、期末考査直前までの2時間で、今日の結果を踏まえ、再度班単位で話し合い、イメージを決定し、それを具体的に文字として落とし込んでいく、つまり文章化して、それを美術部或いは漫画イラスト研究部員に依頼して、原画を作成してもらう、という段取りとなります。デパートの方ではそれをプロの印刷屋さんに出して、最終的な仕上げをして頂くことになっております。この方面には全く素人の生徒達を全面的に信頼して頂き、このような貴重な機会を与えて頂いた事に感謝申し上げております。

 さて、この一連の授業でどのような国語力がつけられるのか、ということですが、自由が丘という街のステータスを肌で感じることで、そこに住む、或いは通勤している人々の感性、意識などを想像する力を養い、どのようなポスターにしたら、人々に興味・関心を抱いて頂けるのか、気の利いたキャッチフレーズを考えることでの思考力の育成、一人ひとりの考えを互いに披瀝し合うことによって、多様なものの見方・考え方・感じ方をする友人間で協働する力を身に付けつつ、最終的には、生活に根ざした確かで豊かな表現力を育成し、それを自己満足に終わらせることなく、他に評価してもらうことによっての成就感・達成感にまで至らせる事が可能となるのではないでしょうか。「国語表現」として身に付ける知的な言語能力もさることながら、美術部・漫画イラスト研究部員の力を借りる事によって、知的のみならず美的訴求力も加わり、自由が丘デパートに足を運ぶお客さんの知的好奇心をくすぐりながら、商品の購買意欲を喚起する結果となる事を祈るばかりです。

スカイプを使って外と繋がる授業

スカイプを使って外と繋がる授業

さあ!インタビュー開始!

さあ!インタビュー開始!

中学1年生「社会」地理的思考力の育成を目指して (2017.11.11)

 昨夜未明から南風が吹き付け、この界隈でよく見かけるモミジバフウの真っ赤に色づいた紅葉も虚しく散り急ぐ様が、何となく晩秋の哀愁を感じさせております。日中は暖かくなり、子供達が活き活きと活動するには絶好の陽気となった中、本日は保護者の皆様の授業参観の最終日、土曜日でもあり、大勢の皆様にお出かけ頂きましたが、私も一緒に、本日は中学1年生の社会(地理)の授業を参観しましたので以下にご紹介致します。

 

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 本校の中学社会は、週4時間ありますが、それを歴史的分野(主として日本史)と地理的分野とに分け、それぞれ2時間ずつ、それぞれの分野の専門教員が担当しております。本時は、地理専門の石飛教頭による「アメリカの工業化~世界一の経済大国:USAはいかに生まれたか~」と題する授業で、形態こそ教室の並び通りの一斉授業でしたが、その展開はほとんど生徒との掛け合い、やりとりの連続というもので、先生の問い掛けに対して、生徒は逐一反応するという流れで、テンポ良く進められました。

 生徒は、予め用意された先生手書きのプリントを参考にしながら、発問に答えていく展開ですが、その基底にあるものは、アメリカの綿工業の発展をアメリカ大陸の地形の特色を常に視野に入れさせながら考えさせるという手法に徹し、地理的思考力を養うことへの視点を見失うことのないような発問に終始していたことが本授業の最大の特徴と見受けました。具体的には、アメリカ大陸の東西に連なるロッキー山脈(新期造山帯)とアパラチア山脈(古期造山帯)との相違に気付かせ、綿工業に必要な原料の調達、動力源(水車によるエネルギー)を得るためには、どちらの山脈が適切であったのか、教科書はもとより資料集、地図帳そして手書きのプリントなどを駆使しながらじっくり考えさせるところが本授業の眼目であったかと思います。発問の中には既習事項も多く含まれてはいるものの、忘却の彼方に行ってしまっている生徒もおりましたが、そこはすぐに答えを言わないで、丁寧に訂正しながら粘り強く考えさせることに終始していたのは、中学1年生という発達途上にある子供達には必要不可欠なことと、私など短気な人間には大いに参考になりました。

 アメリカで綿工業が発達したのは、1870年代、つまり19世紀中頃というところから、日本の明治維新(1868年)、その前の黒船の来航(1853年)などに話を持って行き、黒船がなぜ日本に来たのかに思いを馳せさせ、地理と歴史との融合を意識化させながら、トランプ大統領の登場で一躍世界的問題ともなっている保護貿易(共和党)と自由貿易(民主党)の話題に発展させ、アメリカの綿工業の発展当初から貿易を巡る論争が続いているという経済問題まで考えさせるという仕掛けとなっていました。その後、産業構造や奴隷制度に対する認識の相違もあり、南北戦争に突き進むアメリカの歴史にまで話が及び、リンカーンの名前が出たところで、子供達が知っているアメリカ大統領の名前の数々を披露させながら、20世紀前半、いわゆる戦争の歴史を迎えることで、アメリカの近代工業が飛躍的に発展したことにまで授業が深化して行きました。「アメリカの工業化の歴史」について、地理的視点、つまり、アメリカの地形の特色からのアプローチを基点にしつつ、世界的視野に立っての歴史はもとより、都市の発達過程、そこから派生する政治、経済分野にまで考えを飛躍させながら、ともかく考えさせる、そしてそれをプリントの必要箇所に落とし込んでいく作業を通じて、巧まずして思考力、判断力、表現力を育成していく過程が見て取れました。いわゆるアクティブ・ラーニング型授業は、例えばグループ学習として、4~5人のグループを編成し、グループ内の話し合い方式によって展開する形態が多く見られますが、このような一斉授業の中でも、個々人にいかに活発に考えさせ、発言させるか(中1段階では個々に指名しなくても発言する生徒が現れる)によって、主体的、対話的(この場合には生徒相互ではなく先生と生徒との)な深い学びに繋がっていくことを実感させられる授業でした。

図解思考の手ほどき

図解思考の手ほどき

「これまでの学習から考えてみよう!」

「これまでの学習から考えてみよう!」

中学1年生「国語」導入期の古典学習はどうあるべきか? (2017.11.7)

 今日は、24節気で言うところの立冬でしたが、日中はここ聖ヶ丘界隈でも20℃を越えるポカポカ陽気となり、一頃の寒さもどこへやら、まさに小春日和の好天気に誘われて、校舎3階の1年2組の教室で展開された国語の授業を参観致しました。窓から見下ろす多摩市中、住宅街に点在する木々が真っ赤に色づき目に眩しいくらいでしたが、教室内は中学1年生の熱気に溢れ、新しい教材に挑戦しようとする彼らの目はキラキラと輝いておりました。その熱気醒めやらぬうちにと、早速授業参観記にまとめて見ましたので以下にご紹介致します

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 本時の教材は『竹取物語』で、中学入学後初めて本格的な古文に触れるものですので、いわば古典学習導入期の授業のあり方に一石を投じてくれたものと、昔取った杵柄よろしく、自らの古典学習の有り様を振り返りながら半ば懐かしく参観致しました。

 授業の流れとしては、まず最初に10問からなる漢字テストを実施、出岡先生の授業スタイルの特徴として、短時間でテンポ良く進めるということが習慣化していて、この小テストも5分間で終了、時間切れとともに後ろから回収、後ほど採点し、不合格者にはやり直しの漢字練習をして提出させることで、漢字力の定着を測っております。

 次に、前時に学習した『竹取物語』の冒頭の暗誦を全員で声高らかに朗唱、先生が「そ」と言えば「その竹の中に」と唱え、「も」と言えば「もと光る竹なむありける」「あ」と言えば「怪しがりて寄りて見るに」とリズミカルにどんどん繋いでいく展開は、耳に優しく仏教の声明(しょうみょう)を聞いているような錯覚に陥りました。多くの男子がまだ声変わりしていないこともあり、爽やかな声色が響きわたっておりました。そして、本時の場面(帝がかぐや姫のもとを訪ねながらも、姫の拒絶に遭い、虚しく引き返す場面)に入りますが、まず各自で既に書写し終わっている古文の原文に、現代語訳を付ける個人作業を5分間、ひたすらノートに訳を書き続ける人もいれば、ほとんど手つかずの人もいて、予習状況が垣間見られる場面でした。終了後、2分間だけ、教室内立ち歩き自由で、互いに教え合う時間が挿入され、実に活発に動き回り、自分で埋めきれなかった部分を友達に聞いて回る学習には微笑ましいものを感じました。この途中で先生からの適切な指示が入り、自分で分からなかったところには線を引くとか、赤鉛筆で記入するとか、ポイントとなる部分をしっかり確認させる作業にも目配りをしておりました。そして、本時のクライマックス、中学1年生は30人の少人数クラスとなっておりますが、それを4人の班(5班)と5人の班(2班)とに無作為にグループ分け(従って、授業ごとに班員が異なる)をした上で、各班に本文を記載したプリントを配付、現代語訳を班単位で完成させる作業に入りました。その際、教室の四隅に貼りだされたヒント(語釈や古文特有の表現の注釈等)を参考に、各班で1~4番の人をじゃんけん等で決めた上で、それぞれが自分の番号のヒントメモを見て回り、プリントに落とし込んでいくことで、最終的な現代語訳を完成させるまでが8分間、ここまでがグループとしての協働作業、その後7分間、今度はプリントに書いたものを各自のノートに転記させる作業、先ほどのワイワイガヤガヤが嘘のような見事に静寂な時間が訪れます。そしてラスト3分間、再びグループのまま3分間、疑問点や注意点等意見交換して、班員全体に知識をしっかり定着させる仕掛けとなっておりました。静から動、動から静への切り替えをスムースに、子供達は無駄話をする余裕もなく、アクティブに動き回りながら、文字通り体と頭を総動員して、彼らにとっては半ば未知の世界とも言うべき古文の深奥に迫っていく学習過程を通じて、まずは古典学習の導入期において、我が国固有の文化と伝統に興味と関心を抱かせつつ、これから長く続いていく古典学習を嫌いにさせないという創意工夫に満ちた授業と見受けました。ちなみに今日の授業で扱った教材の中に、虚しく帰る帝の和歌「帰るさの行幸(みゆき)ものうく思ほえて背きて止まるかぐや姫ゆゑ」に対するかぐや姫の返歌「葎(むぐら)はふ下にも年は経ぬる身のなにかは玉の台(うてな)をも見む」という和歌が出て来ますが、高校生でも解釈に手こずるような和歌を、文法には一切触れることなく大づかみに理解させようとする試みこそ、これからの古典学習には必要不可欠ではないかと参観しながら感じ入っておりました。今週は、9日(木)から11日(土)まで保護者の方々への授業参観日としております。何かとお忙しいこととは思いますが、お繰り合わせの上ご来校頂き、子供達の活き活きとした姿をご覧頂きたく存じます。

 

壁に貼られたヒントをもとにグループで現代語訳

壁に貼られたヒントをもとにグループで現代語訳

グループの皆で意見交換

グループの皆で意見交換

中学1年生「英語」基礎・基本の定着を目指して (2017.10.31)

 2週連続の台風襲来、大雨に祟られ辟易でしたが、昨日30日(月)は、見事に晴れ上がり、朝の通勤経路でもある多摩ニュータウン通りの公孫樹の木が、眩しいくらいの陽光に照らされ、鮮やかな黄葉になっていることに気付かされました。ここ聖ヶ丘界隈の紅葉も一気に進み、都立桜ヶ丘公園のモミジ、ケヤキ、花水木などの木々も、例年より早く色づいているように感じられます。
さて、校長の授業参観記第3弾ですが、校舎3階からきれいな紅葉も見渡せる尾根環通りに面する1年4組の教室で、英語の授業を参観致しましたのでご紹介致します。

実施概要

 本校の中学一年生の英語は週に6時間ありますが、そのうち、4時間を日本人教師が担当し、英語学習の導入期、まずはしっかり基礎・基本を教え込む一方で、初期の段階から本物の英語に接するべく、1クラス30名をさらに半分に分け、15名ずつALTによる英会話の学習をしております。ALT担当の残り半分は日本人教師が受け持ち、少人数ならではの利点を生かしながら、単語、文法等の基礎的事項についてしっかり教えます。

 小泉教諭は、今年度本校に着任した新進気鋭の女性教員で、留学経験もあることから、その発音の美しさには定評があり、まだまだ幼稚で無邪気な中学1年生を相手に、流れるようなスピード感を持って授業が進められ、参観している私など戸惑うような場面もありましたが、先生の適時にして適切な質問に迅速に反応する生徒の姿に接し、入学後半年にして、よくぞここまで指導して頂いた事と半ば感銘して参観致しました。ただ、小泉教諭には明日から産休に入ることとなり、本日は代替教員をお願いする田邊教諭にも一緒に参観して頂き、双方でしっかり受け継いで頂いた次第です。

 さて、本日の授業ですが、教科書のLesson 6  「My Family」を教材にして、初めは前回の復習を兼ねての一斉授業、この夏、全教室に導入したプロジェクターの画面に投射された本文並びに音声をなぞりながら全員で音読を繰り返した後、2人1組のペアリーディング、メンバーを交代して2回繰り返し、本文の暗記にまで到達させる段階になったところで、もう1回全員でスピードを変えてのリーディング練習、この辺まで来るとほぼ全員暗誦できる状態になったと見るや、「言えたら書けるようになるはず」という合い言葉のもと、各列の指名された順番に前に出て、先生の発音する英文を聞き分けながら一文ずつ板書する作業に入りました。いわばDictationの学習ですが、結果として、全員が前に出て、スペルを間違えないように記述したものを、全員で読みながらスペルの誤りをチェックすることで、誤りやすい単語に注目させる仕掛けになっております。一人が間違えたスペルを全員で直して上げるという過程においては、決して個を批判しないという相互敬愛の気持ちが自ずから身についていくように感じられました。誰ひとりとして、黙っていない、黙らせない、必ずなにがしかの発音、発声を繰り返しながら、テンポ良く授業が進められました。英単語、英文法など基本的な知識、技能がしっかり身につくような仕掛けを意図しながら、常に間断なく問いかけ、答えを引き出しながらまた次に進むという重層的とも言える授業構成は、子供達にむだなおしゃべりをする隙も与えない印象を抱きました。

 授業の最後は、本時の振り返りの小テスト、①~⑦まで一文ずつ、先生の発音を聞きながらのDictation Testで、知識、技能の定着度の確認テストをすることで終結する授業構成は、見ていて小気味よいものでした。全体から個人、或いはグループになり、最後にまた全体で確認した後、個人個人の知識、技能の定着度を測るという流れ、まさに1時間の授業の中で、動と静、アクティブな活動をさせながらもしっかり基礎を身につけさせる、子供達の動きに細心の注意を払いながら、英語に興味・関心を抱かせる創意工夫に満ちた授業でした。英語学習の初期段階において、飽きさせない、嫌いにさせないことのいかに大事なことであるかを改めて実感致しました。

 中学1年生は先週27日(金)、東京テレポートにあるフジテレビの湾岸スタジオで、「目覚ましテレビ」の模倣版とも言える「フジテレビのお仕事!」という体験学習をしてきたばかりですが、本校の教育方針の一つ、「本物から本質に迫る教育」を地でいくような体験をして、一回り大きく成長したような印象を抱きました。と申しますのは、117名、クラスを解体して4チームに分かれ、「目覚ましテレビ」で実際にやるようなニュース、天気予報、「ここ調(しら)」(事前に学校でアンケート等取って調べた内容を紹介するもの)を、リハーサル、本番とフジテレビの担当の方々から手取り足取り指導して頂いた結果、分秒という時間の大切さを身をもって感じ取ってくれたように思います。大人社会の仕事体験を通じて、何かしら得てくれたように思われて仕方がありません。

ディクテーションチェック

ディクテーションチェック

ペアワーク

ペアワーク

中学 1 年生「数学」連立不等式を学ぶ (2017.10.26)

 先週末襲来した台風 21 号では、各地に甚大な被害が出てしまいましたが、本校でも 23 日(月)は、交通機関の乱れもあり休校と致しました。ただ、当日は、高校 2 年生の修学旅行 出発日、広島・四国方面、伊勢・関西方面、東北・北海道方面と今年で 3 年目となります多方 面修学旅行に向けて、東京駅、新横浜駅での集合としておりましたが、朝のうちから横浜線が全線不通となったのに巻き込まれ、新横浜駅集合班のみ、2班に分かれての出発を余儀なくされてしまいました。その後は各地天候に恵まれて順調に日程をこなしております。

 さて、校長の授業参観記第2弾ですが、校舎3階から山頂部に美しく冠雪した富士山が 望まれる中学1年 2 組の数学の授業をご紹介致します。

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 植竹教諭は、今年度中学 1 年生の学年主任として、1~3 組まで担当、その全ての授業で アクティブ・ラーニング型授業(以下 AL 授業と表記)を実践、日々試行錯誤しながらも、生 徒自身或いは友達同士、互いに協働しながら、受け身になることなく、学習に自発的に取 り組む姿勢、自ら調べ考える習慣をつけていくことを目指しております。 本日の授業は、「連立不等式(1)」のワークシートプリント(No.55)に.示された各種問 題、前時間に配付し、解答を個人または班員相互に相談し合って解いた答えを、指名された各班の代表が板書し、それを丸付け係と称する生徒が前に出て正解の場合には〇、不正解の場合は訂正してあげる、という手法で授業が進められ、その途中で、植竹教諭の適時適切な指導、助言がなされるという展開、この間、生徒は自分の答案に目通しし、正否の確認をしたり、よく理解できない問題について友達と協議したりという活動がなされてい ました。続いて、本日新たに配付されたワークシート No.56 「連立不等式(2)」の問題に取 り組み始めましたが、ここでもまず個人で考え、解き始めますが、途中で行き詰まると、班員と相談したり、場合によっては班を抜け出し、他の班のメンバーと相談したりすることも可能となっております。この段階で教室のあちこちから「ああ、なるほどね」とか「で きた!」「やったー!!」「なんで?」「これあってないの?」など、特にまだ声変わりしていな い男子の黄色い喚声が上がります。自分で理解出来ていなかったことが、友達の一言によって、分かった時の感動表現として微笑ましく聞いておりました。学校行事などの各種イベントの中でこそ、詠嘆、感動の場面によく遭遇しますが、このように日常の授業の中で の「笑顔と感動」こそ貴重なものはないのではないかと見ている私の方が嬉しくなりました。

「学び合う」生徒たち

「学び合う」生徒たち

「教え合う」ことで成績も向上

「教え合う」ことで成績も向上

 

 数学の得意な生徒が、やや不得意な生徒に誇らしげに教えている姿もまた美しくなにものにも替え難い光景でもありました。

 AL型授業については、教科、学年によって、その取り組み方は様々ですが、植竹教諭の場合、以下のような目標を見据えながら実践されていますので、その一端をご紹介致します。

  • 班員同士互いに教え合うことで相互の理解力を高めること。
  • 一見、教わる方にだけ得があると思われがちであるが、教える側と教わる側で、どちらがより勉強し理解できるかと言うと、多くの生徒が教える方と答えていること。
  • 一部の生徒が理解してどんどん先に行くことではなく、クラス全員が理解すること、つまり、誰一人として遅れる人を作らないことが最大の目標である。そうすることで、教える側の生徒の理解度も高まる結果となること。

 本日の授業でも、授業の合間合間に適切な指導、助言を差し挟むことで、上記のような目標を生徒自身にもしっかり認識させながら展開されていたことを目の当たりにさせて頂きました。中学1年生というまだまだ無邪気で価値観も定着していない子供達に、粘り強くかつ教師自身いかに忍耐強く継続的に取り組んでいくかが、このAL型授業実践に不可欠なことであることを実感させられた授業でもありました。

 

 

 

 

五十嵐校長の授業参観記 第48回衆議院議員選挙を目前に (2017.10.12)

平成29年度スタートに当たり、従来の「五十嵐校長のWeb日記」に代わり、今年度は「五十嵐校長の授業参観記」なるものを折々に紹介させて頂く旨、宣言させて頂きながら、諸般の事情により、今年の秋も深まり行く頃になってしまいましたことをまずはお詫び申し上げます。遅ればせながら、本日始動、偶々高校2年生の公民科「時事問題」という授業の中で、目前に迫ってきた第48回衆議院議員選挙の模擬投票を取り上げてくれましたので、時宜を得たものと思い、早速に紹介させて頂きます。

*実施学年・科目・単位数(人数)・担当教諭名:高校2年生(文系)・公民科選択科目(時事問題)2単位(11名)・染谷秀子教諭*実施日時・場所:平成29年10月12日(木)2限・Learning Square

この「時事問題」という科目は、まさに世の中で起こる森羅万象が素材になるもので、

日々、時々刻々に生起する日本はもとより世界各地の諸問題を授業の題材として取り上げ、それぞれの問題について分析しながら、自分の意見を毎時間最後に書いて提出することになっております。そして毎月初めの授業で、先月の問題について、日本、海外とに分けて発表することで、認識の定着を図っております。この作業を継続していく中で、多様な意見を持つ仲間達と議論・協働しながら一定の結論に達する、或いは結論は敢えて出さないまでも、意見交換を交わす中で互いの思考力・判断力・表現力を高め合うことを目的にしております。

10月12日(木)の授業は、上記の通り、10月22日(日)に予定されている衆議院議員選挙を前提に、11名の生徒全員が、候補者になったつもりで、各自の政策を発表し合った後、参観している教員ならびに候補者全員も即投票に移るという流れで展開されました。所属政党は、自民党や民進党などの既成政党の他、都明党、獅子党などの新党結成者、さらには無所属と、創意工夫を凝らしながらも、今回の衆議院選挙における混乱ぶりを反映したようなユニークなものもあり、参観する有権者の興味関心を高めておりました。

さて、いよいよ各候補者の政策の発表となりましたが、11名全員前に出て、声高らかに政策を訴えるかと思いきや、普段からおとなしい学年という定評を得ている学年の本領発揮、まず恥ずかしさが先行し、どうしても自ら作成したメモを見ながらの発表が多かったのはやや残念ではありました。選挙においては、政策の中身もさることながら、声の大きさや発表態度、時にははったりなども必要とされるだけに、有権者の心にどのくらい響いてくれたか心配な発表もありました。ただ、政策の中身という点では、11名中9名まで最近都議会でも話題になった受動喫煙防止に関わる案件を強調していたのは印象的でした。

キャプチャ001  キャプチャ002

各候補者のポスター掲示                     候補者による政策発表風景

互いに相談してそのような案件を取り上げたことでないとしたら、若者にとって、最早喫煙は縁遠いものとなってきていることを実感させられ、喫煙している方には申し訳のないことではあるが、日本の未来は色々な意味で明るいのではないかと思いました。一方で、若者の感性は種々様々で、巷間取り上げられているような消費税の問題、北朝鮮問題、憲法問題、東日本大震災の復興問題、労働者の働き方問題(プレミアムフライデー含む)、少子高齢化問題、原発ならびにエネルギー戦略の問題、国会議員の報酬削減問題(議員定数の削減含む)、人作り革命や教育の無償化問題等々、それぞれに説得力のある訴えが相次ぎ、我々大人自身、22日の投票日に向けて様々考えさせられる授業でありました。授業後の即日開票の結果、ここ聖ヶ丘選挙区においては、自民党の早川侑希さんがトップ当選となりました。早川さんの地元に密着しつつ、多様な政策について自信を持って力強く訴えたことが有権者の心に染みこんだものと思われます。さて、22日投開票の本番ではどのような結果となりましょうか?日本の未来を明るく切り開いてくれるような議員さんが沢山登場してくれることを心待ちにしております。

 

 

 

校長就任挨拶(2014,4,7)

五十嵐 校長

    私は、このたび丹伊田敏校長の後任として、4月1日より多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校長に就任いたしました五十嵐一郎と申します。昨年1年間は、副校長として本校の学校運営全般にわたり種々体験、学習し、校長としての職務内容や、その責任の重さを痛感したところでございます。校長就任に当たり、本校HP上ではありますが、一言ご挨拶申し上げます。

 僭越ですが、最初に自己紹介をさせていただきます。私は、新潟県糸魚川市の出身で、東京の大学で日本文学専攻、取り分け国語学を学んだ後、神奈川県立相模原高等学校で、国語科の教員としてスタートし、5年後、新設の上溝南高校に転出、併せて12年、神奈川県にお世話になりました。その後、縁あって国立の東京学芸大学附属高等学校に転出、そこで26年間国語科教員並びに副校長として勤めた後、東京学芸大学附属学校運営参事(特任教授)として、大学運営の一翼を担うとともに、東京学芸大学の附属学校園(幼稚園から特別支援学校まで12校園あり)の統括運営・管理・指導・助言等の業務を担当、平成25年3月任期満了で退職し、同年4月本校に副校長として着任致しました。永く国公立学校、しかも高等学校に勤務していたことから、私立学校で、6年制の中高一貫校の環境は新鮮そのもので、取り分け中学生の可愛さにはついつい微笑んでしまいます。

 さて、本校は、この3月に24期生を送り出したばかりのまだ若い学校ですが、先人の弛まぬ努力により、多摩地域の名門進学校としての地歩を確立し、日々着実に前進しております。卒業生数は24期生で3,784名 に達し、社会の各分野において中核的存在として活躍しております。在籍中の生徒諸君も各学年120名前後という少人数でもあり、日々和気藹々と明るく爽やか、楽しい学校生活を送っており、それを見守る教職員もまた、一人ひとりの生徒への目配り・気配りも細やかに、中学から高校卒業までの6年間、人生におけるまさに疾風怒濤の時代をともに生き、心身の大きな成長の手助けを惜しむことなく継続的に尽力しております。今年度新たに3人の新進気鋭の専任教員も加わり、益々パワーアップした教員集団を、今後の学校説明会等でお出でいただいた際にでも、ご覧いただければ幸いです。

 本校の教育方針として、(1)豊かな自然の中での人間教育、(2)少人数でのきめの細かい指導、(3)本物に触れる教育、(4)基礎学力の充実と思考力の育成、(5)笑顔と感動の学校生活、という5つの柱を上げておりますが、多摩丘陵の緑豊かで風光明媚な環境と、閑静な住宅街に囲まれたこの聖ヶ丘の学舎は、これらの教育方針を具現化するに最適な環境にあります。ここに集う素直で誠実な若者達の日常は、多摩(たま)(ひじ)独特の学校文化を醸しだし、中学から高校まで日々笑顔と感動に包まれながら、心身の成長と学力の伸長に努めております。中学1年生からの6年間の成長ぶりは目に眩しいくらいで、明るく伸びやかな学校生活を送っております。

 校長就任に当たり、多摩聖教育のさらなる質の向上を追求し、微力ながら貢献していく所存でおります。前任校長に変わらぬご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 なお、この「五十嵐校長Web日記」は、本校の多種多様な教育活動全般にわたり、広く一般の方々にもご理解いただくためにも、少なくとも毎月1回は更新しながら、多摩丘陵の自然に抱かれて展開する四季折々の教育活動をご紹介申し上げたいと考えております。お楽しみにご覧いただければ幸いです。

 最後に、最新のニュースですが、本校の高校ダンスドリル部が、去る3/29(土)アメリカのDentonにて開催されたAmerican Dance Drill National/International Competition 2014において、Pom部門第1位、すべての出場部門でも総合第1位を獲得いたしました。新年度早々のビッグニュースで、幸先の良いスタートとなりました。詳細はHP上の記事をご覧ください。

 

平成26年4月7日
学校法人田村学園
多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校
校長 五十嵐一郎