平成28年度の幕開け、入学式終了

3月22日(火)に開花宣言の出た桜の花が、その後の低温、花冷えのお陰もあり、何と昨日の入学式まで持ってくれました。前日7日は冷たい雨(花散らしの雨)がほぼ1日降り続き、どうなることか心配致しましたが、昨日は朝から太陽も顔を出してくれて、雨上がりのしっとりした空気感漂う中、本校28年度入学式は無事終了致しました。中学1年生(32期生)97名、高校1年生(29期生)119名合同での入学式でしたが、ご来賓のユーモア溢れるご祝辞のお陰もあり、厳粛な中にも温かくほんわかとして、新入生の緊張感も和らぐような雰囲気の中、ほぼ予定通りに終わることができましたので、そのご報告も兼ねて4月第1報をお届け致します。

桜の花が長持ちしている間に、木々の芽吹きもずいぶん進み、遠くの山々も大きく膨らんできたように感じられますが、一方で、目を近くに転ずると、純白な雪柳の花、薄紅色の海棠の花、白やピンクの入り交じった花桃の花、連翹、山吹の黄色い花など、百花繚乱、春爛漫の好季節となってきました。ここ聖ヶ丘界隈の大小の公園にも数多くの花々が咲き乱れ、ふと足を止めて魅入っておりますが、そんな良い季節に新入生を迎え入れ、学園も一気に華やいできたように感じられます。昨日の入学式の式辞の最後では、主として中学1年生を想定し、「頬紅く染めてはにかむ新入生今日から君も聖の仲間」と1首、思わず呟いてしまいましたが、そんな可愛らしい新入生と今年もまた邂逅させていただきました。

式辞の内容も、分かり易く4点に要点を絞ってお話し致しました。1つは「邂逅(出会い)の重要性について」、2つ目は、「みんな違ってみんないい」、3つ目は、「置かれた場所で咲きなさい」、最後に「君の志は何か」ということです。「邂逅こそ人生の重大事」とは、かつての大評論家亀井勝一郎が『愛の無常について』の中で述べておりますが、学校こそ、毎年のように繰り返される出会いの場そのものです。多くの友達や教職員との出会いがありますが、十人十色、それぞれに異なった個性、人格の持ち主であるがゆえに、金子みすゞの「私と小鳥と絵と」の一節「鈴と小鳥とそれから私 みんな違ってみんないい」の心、つまり、互いの違いを認め合いながら、互いの人格、個性を尊重し、その影響を積極的に受けようとする寛容な精神の持ち主になって欲しいと訴えました。

そして『置かれた場所で咲きなさい』ですが、ご存じのように4年前に大ベストセラーになったノートルダム清心女子大学名誉学長の渡辺和子氏の著書名でもあり、英語では「Bloom where God has planted you」となっております。新入生の中には、或いは本校が第1志望でなかった人もいるかも知れませんが、本校に入学された今日からは本校が第1志望であったという思いに切り替えてもらい、多くの友人や先生方との出会いを大切にしつつ、本校での学びによって、大きな花を咲かせて欲しい、そのために我々教職員一体になって、君達の努力に応えるべく、惜しみなく指導させていただく所存であると致しました。最後に「君の志は何か」ということですが、折しも、リオデジャネイロ五輪出場を決める水泳の日本選手権が開かれ、毎日熱戦が繰り広げられおり、その中で、酒井夏海(中3)、池江璃花子(高1)、今井月(ルナ)(高1)、長谷川涼香(16歳)という10代の若者が五輪出場をほぼ手中にしたようだが、彼女たちは百分の1秒を争う青春を今生きていることに思いを馳せて欲しい、その彼女たちはオリンピックに出たいという強い志を持ってたゆまぬ努力を継続してきているわけで、君達も本校で何をどうしたいかという志を持って、これからの6年間或いは3年間を前進して欲しいと呼びかけました。高1の内部生には、先の卒業式でも、佐藤一斎の『言志四録』を引用し、志を言葉で表現することの大切さを説いておりましたので繰り返しになりましたが、中1の新入生と高校から入学してこられた37名の高入生には初めての話でもあり、真剣なまなざしで聞いてくれていたことが印象に残りました。

私の後に、田村学園の田村嘉浩理事長からのお祝いの言葉、多摩大学グローバルスタディーズ学部の安田震一学部長の祝辞と続きましたが、安田先生は、グローバルスタディーズ学部長ということもあってか、流暢な英語を交えながら実にユーモアたっぷりのお話をして頂き、緊張して固まっていた新入生もすっかり笑顔を取り戻し、グンと軟らかい雰囲気になりました。やはり志の大切さを強調され、それをこの学校で達成されるようにと力説して頂きました。

最後に、「新入生代表誓いの言葉」として、中1では小田悠資君、高1では永嶋悠人君がそれぞれ入学した後、本校での学習や部活動に積極的に取り組むことなど力強く宣言してくれました。私は直立不動、壇上で聞きながら、「初心忘るべからず」の思いで頑張れよ、と、今後の彼らの活躍を心中秘かに祈らずにはおられませんでした。

 

やや遡りますが、一昨日7日には、在校生(中2、3、高2、3年生)の始業式があり、実質今年度がスタート致しました。講堂が大学の講義とバッテングして使用不可であったことから、珍しく本校体育館で開催、ただ、今年度から男女混合名簿としたこともあり、整列するのに互いにはにかみながらでしたので、やや時間がかかってしまいましたが、これからの授業の中で、例えばアクティブ・ラーニング型授業等では、男女混合で意見をぶつけ合ったり、協働作業をしたりという場面で効果を発揮してくれることと期待しております。各学年とも元気に登校したものの、生憎の空模様、雨も激しく降り続き、校外での部活動もできず、野球部やサッカー部、テニス部等の選手諸君にはまさに涙雨のスタートとなってしまいました。

明日、10日から2泊3日で、中1のオリエンテーション合宿が早速始まります。自然豊かな千葉県は白子の九十九里浜での最初の宿泊行事、友達たくさんできるかな、と私などは今から楽しみにしております。彼らの前途洋々たる事を祈りながら今年度第1号とさせていただきます。入学式の模様などは聖ヶ丘ニュースでご覧頂ければ幸いです。