5/14(土)体育祭に向けての準備加速

 人によっては10連休という超豪華黄金週間も終わり、列島に再び静謐な日常が訪れましたが、本校では暦通りの教育活動、5/3~5/5までがかろうじて3連休になった他は、飛び石を交えながらも、日々粛々と授業や部活動を展開してきました。4月18日(月)の校長日記でも触れさせて頂きましたが、熊本を中心とした地震の方は相変わらずの余震が続き、今もなお多数の方々が避難生活を余儀なくされていることに心痛めております。一刻も早く平穏な生活を取り戻されるようお祈り申し上げております。4月18日(月)以来、本日に至るまで各種の学校行事を実施してきたことと、今週末14日(土)開催予定の体育祭の準備が加速してきましたので、そのご報告を兼ねて5月第1報をお届け致します。
 4/18(月)~4/23(土)までの1週間、新学年、新クラスになったこともあり、担任と生徒との個人面談を実施致しました。毎年の事ながら、新学年・クラスに早くなじむことと、学習面や部活動面等での悩み事などの有無の確認等、新担任と膝を交えながら話すことで相互理解を深めること等を目的に実施しておりますが、放課後の時間帯を活用して今年も有意義な面談週間となりました。
 4/29(金)(昭和の日で休日)には、吹奏楽部の第24回定期演奏会を、多摩センターにあるパルテノン多摩を会場に開催致しました。2011年の東日本大震災以降「東日本大震災復興祈念チャリティコンサート」という冠を付けさせて頂いての定期演奏会ですが、今年はさらに4/14、16の熊本地震への復旧・復興も祈念させて頂き、当日会場で募金活動をさせて頂きました。中高吹奏楽部員(一部友情出演含む)36名という少人数ではありますが、聴く者の心に響く素晴らしい演奏会となりました。演奏は3部構成とし、2部ではマーチングも披露、そこにダンスドリル部の高3生3人が友情出演に加わり、舞台に彩りを添えてくれました。爽やかな楽曲の数々と共に、切れの良い見事なダンスが披露されたことで、明るく楽しい舞台になり、多くの観客から盛大な拍手を頂き、私どもも身のすくむような感動にとらわれました。一方で、この演奏会は、高校3年生の引退公演でもあり、今年も5名の高3生が最後の花道を飾りました。5年有余に及ぶ厳しい練習の成果が披露されると共に、顧問の大塚教諭から一人ひとりの今までの苦労話を交えた紹介と、それを受けての一人ひとりのコメントが何とも言えずいとおしく、訥々と語る、今まで支えてきてくれた先輩や後輩、先生方、家族、友人への感謝の言葉の数々は、聞く者の涙を催させないではいられませんでした。5人で最後に演奏した「高3スペシャル」は、5年間艱難辛苦を共にしてきたことを感じさせる息のぴったり合った素晴らしいハーモニーでした。彼らが中1で初めて邂逅した(出会った)楽器こそ、今後の長い人生を心豊かに過ごしていく糧になるであろう事を確信致しました。中高校での部活動の意義について今さら申し上げるまでもありませんが、この演奏会を通じてまさに「部活動の王道ここにあり」の印象を強く抱きながら会場を後に致しました。
 4/30(土)4限には、中学・高等学校別々の会場で生徒総会を開催致しました。中学は体育館で、高校は講堂での開催でしたが、年に一度恒例の生徒総会の主たる目的は、平成27年後生徒会予算の決算と承認、各部活動の部長による活動報告と平成28年度の予算案の説明と承認でした。各案件とも順調に承認され、28年度本格的な活動が始まりました。
 同じ4/30(土)には、午後2時から今年度初めての土曜ミニ説明会を開催、16組35名の皆さんにお出で頂きました。学校改革2年目となり、各種学校行事も順調にスタートしていること、今年度の重点課題等私の方から約30分説明させて頂いたあと、校舎内各施設・設備の見学を3グループに分かれて約40分で巡回、最後に入試広報部の大野教諭の方から、今春の入試結果を、中学2科、4科、適性型等別々にデータの紹介、高校入試の結果と各教科の入試出題ポイント等、詳細な説明をさせて頂きました。今年度初めてということもあり、私の説明にもやや力が入ったか、「エネルギッシュな校長先生からの学校説明を聞くことができ、親子共に前向きな気持ちになれました」というお声の一方で、「正直、掲示物等、共用スペースのものが古く破れている物が多く目にとまり、少し残念な気がした」という厳しいご指摘も頂き、改めて気持ちを引き締め、校内外の細かなところまで目配り、気配りの必要なことを感じさせて頂きました。他には「先生と生徒との仲の良さが印象的であった」「生徒達が気持ちよく挨拶をしてくれて安心しました」「学校の雰囲気が良く分かりました。子どももとても気に入った様子です」「理科室がすごかったです!特に蝶と青大将の皮がすごかったです。案内してくれた人が優しくて、良く分かったのでよかったです」等々、好意的な感想が多く寄せられありがたく思いました。
 5月に入り、連休明けの6日(金)に中学、7日(土)に高校生対象の朝礼を実施致しました。今年度初めて、しかも男女混合名簿での初めての朝礼でしたので、最初はややぎこちなくそれぞれに緊張気味でしたが、すぐに打ち解けてくれたようで、昨年までと同様静かにしっかりと私の話を聞いてくれました。その内容は、熊本地震へのお見舞いと復旧・復興の早からんことを祈りつつ、我々自身も常日頃から天変地異への備え、心構えをしっかり持っていたいということに始まり、サマーセミナー(7月一杯と8月中・下旬5期にわたり開催)を今年80講座開講するので、積極的に受講して欲しいということ、14日に迫った体育祭を大いに盛り上げて欲しいということなどに言及した後、江戸時代の、謎に包まれた天才絵師と言われる伊藤若冲にまつわる話を致しました。10分間しか持ち時間のない朝礼ですので、ごく簡単にしか紹介できませんでしたが、若冲は1716年に生まれたことから今年が丁度生誕300年ということで、今まさに東京都美術館で「生誕300年記念 若冲展」が開催されていることを紹介しながら、私と若冲との初めての邂逅(京都伏見深草にある石峯寺にある若冲のお墓との出会い)と、若冲の残した「千載具眼の徒を俟つ」という言葉の意味を説明して終わりました。つまり、18世紀の江戸時代には、自ら心血を注いで描いた絵の真価を十分理解出来る者はいなかったからでしょうか、千年後に自らの真価を理解してくれる人の出現を俟つ(期待を寄せる)という言葉以外に「文字も残さず、言葉も残さず、ただ絵のみを残した」天才絵師を紹介し、現代ともすれば、すぐに答えをほしがったり、自分の業績をすぐ評価して欲しかったりする人も多くいるが、地道にコツコツ努力さえしていれば、必ずどこかで見ていてくれる人があり、後々思わぬ評価に浴することもあることを忘れないで欲しいと結びました。それにしても、若冲は江戸時代における偉大なる天才絵師であったことは、現代科学技術を持って分析、検証されてもおり、過日NHKスペシャルでも大きく取り上げられていたことをご存じの方も多いのではないかと思います。5/24(火)まで開催されている若冲展は連日長蛇の列ができるくらいの盛況ぶりとのこと、私がおよそ20年前訪れた石峯寺のお墓はまさに草むらに埋もれるくらいでしたが、その草葉の陰で300年後に花開いた自らの絵画の真価にほくそ笑んでいるのではないでしょうか。
 校長になってから恒例になりました高3生との校長面談を、今年も4/25(月)から、午後の空き時間、放課後を活用して実施しております。5/11(水)まで、断続的に続きますが、今年で3年目、相変わらず「それぞれに礼儀正しく、純粋で爽やか、品が良く、明るく伸びやかな生徒」諸君と、わずか10分間という短時間ではありますが、胸襟を開いて語り合えるという至福の一時を過ごさせてもらっております。もちろんその主たる目的は、受験に向けての激励と現在の学習状況、部活動の様子等の情報交換に尽きますが、爽やかに応対してくれる彼らから青春の息吹のようなものを感じ取らせてもらい、自らも若返らせてもらっております。彼らの前途に幸あれと心中秘かに祈っている次第です。
 最後になりましたが、5/14(土)開催予定の第29回体育祭の準備が先週あたりから活発になってきました。7日(土)4限には、高校生全体での競技の練習を高1から高3まで合同で実施、今週も体育の時間等を活用しながら、各学年毎の競技等の練習を重ねて本番を迎える事になります。激しい競技や危険を伴う競技については、やや自粛気味ということもあり、全体としてやや盛り上がりに欠けるのではないかという保護者の方からのご指摘もあり、生徒の体育祭実行委員会を中心に創意工夫を重ねながら、試行錯誤してくれておりますので、その成果をご覧頂きたく万障お繰り合わせの上、お越し頂ければ幸いです。