第2回学校説明会、中3分野別説明会等終了

 昨夜来の雨が朝になっても本格的に降り続き、このところの晴天で萎れかかっていた紫陽花もさすがにシャンとして「雨に紫陽花よく似あう」の風情を醸し出しております。生徒諸君の通学には難渋極まりもありませんが、濃緑の植物にはさぞかし恵みの雨になっていることであろうと推察しております。昨日(6月12日(日))今年度第2回目となる学校説明会を実施致しましたので、そのご報告を兼ねて6月第2報をお届け致します。

 少し遡りますが、6/1(水)、6/8(水)2週にわたり、6限LHRを活用して、中学3年生対象の分野別進路説明会を実施致しました。この目的は、毎年中学3年生に課している卒業論文(原稿用紙10枚、4,000字)の執筆にあたり、より広く社会の諸問題に触れ、自ら主体的に課題を発見し、興味・関心を持って調査・探究に取り組み、豊かな表現力を培いながらまとめ上げていくことの参考に資するという点にあります。今年は、1日に「動物」「医療」「経済経営」の3分野、8日は「食物・栄養・健康」「児童・心理」「化学・工業等」「グローバル」の4分野、文系・理系の7分野にわたりそれぞれ専門の大学の先生方にお出で頂き、各分野での最新の情報を含めながら、彼らの好奇心に火を付けて頂きました。当日の模様は「聖ヶ丘ニュース」の掲載写真をご覧下さい。

 6/2(木)、3(金)と、中学、高校の順で朝礼を行いました。朝の授業開始前約10分という短時間ではありますが、全校生徒を前に直接語りかけられる貴重な時間、今月は、サミットの直後でもあり、裏方つまりフォロアーシップの大切さについて、例えば首脳会談に先駆けて行われた各種大臣会合や共同宣言作りを巡る裏方の活躍、更にはサミットの警備を担当する警察官のお弁当作りに夜を徹して作業している皆さんの話題など、いかに裏方が長時間かけてすさまじい努力をしているかなど語りかけました。より具体的には、偶々、全日本女子バレーボールがリオ五輪を決定した後でもあり、木村沙織他全日本の選手達を陰で支えたチーフアナリストの渡辺啓太氏に関する朝日新聞記事(5.14付け朝刊)を紹介しながら、夢を叶えた選手達の裏でその活躍をひたすら支え続けている人の存在があるということを忘れないで欲しいと強調致しました。高校の方はそれに付け加えて、7月10日投票日と決定した参議院議員選挙に関連し、既に18歳になった人は今回の国政選挙から選挙権が賦与されることになるので、絶対に棄権することなく投票に行って欲しいと結びました。18歳になった人は、高校3年生の中でまだ10人余りであったかと思いますが、国民の権利でもあり義務でもある投票権を、今後長きにわたり決して放棄しないようにと願っております。

 6月4日(土)4限、LHRの時間には、今年度最初の校長講話を開催、前回の校長日記で触れさせて頂いたように、北海道赤平市で従業員20人余りでありながら、バッテリー式マグネットのパイオニアであり、建設機械や宇宙航空関連分野において世界最先端の技術を有する植松電気の専務取締役植松努氏の紹介をしながら、植松氏の持論である「思うは招く~夢があれば何でもできる~」という言葉をお借りして、前述の全日本女子バレーボールチームに帯同し、チーフアナリストとして活躍している渡辺啓太氏について、更に敷衍した内容を話しました。講話終了後の生徒諸君の感想では、夢の大切さ、本物に触れて驚き感動することの大切さ、「憧れは未来を切り開くパワー」であること、植松氏の言われる「どうせ無理」を禁句にし、「人の可能性を奪わない社会の実現を目指す」ことなどに大いに共感してくれたようで、植松氏の思いをいささかなりとも広め得たかと胸撫で下ろしております。

 そして昨日(12日)、各種学校行事の関係で、6月は土曜日の開催が難しく、日曜日となってしまいましたが、中学入試希望87組、高校入試希望3組の計90組、お付き添い、保護者の方々を含めて200名近くの方々にお出で頂き、第2回学校説明会を開催致しました。梅雨時特有のむしむしした陽気ではありましたが、大勢の方々のご出席に感謝申し上げております。今回の目玉は、今秋予定されている高校2年生の3方面修学旅行への事前準備の状況を、各方面代表の生徒諸君によるプレゼンテーションにありました。高2の修学旅行を多方面にすることは、学校行事のアクティブ・ラーニング版ということで、昨年から導入したものですが、全クラスを解体し、まず個人個人が自ら行きたい方面を選択し、共通のコースを選択した者同士が、4~5人程度のグループを作り、グループ毎に課題を発見し、多様な仲間と調査、探究したのちに、10月現地に赴き、本物に触れ、本物を見、聞き、或いは味わってその本質に迫る学びを深めてくることを目的としております。もちろん終了後に、そのまとめをして、同級生で他のコースに行った人や下級生に対して、報告、発表することで完結致します。今年度は、広島・松江等山陽・山陰方面と、沖縄方面、そして初めての海外ということで何とカンボジアに出かける班に分かれます。共通するテーマは「平和学習」としており、その行き先と時代、歴史的背景こそ異なるものの、人類共通のテーマである「平和」へのアプローチは若者らしい感性の賜物と喜んでおります。

 生徒発表に先立っては、例によって私から「聖ヶ丘の教育」と題して、本校の教育の特色、特に「不易流行の教育」について、約20分ご説明致しました。「不易なるもの」としては私学の独自性そのものである建学の精神、時代の流れ、社会の要請をいち早く汲み取っての「流行」として「少人数できめの細かい指導」「本物から本質に迫る教育」「主体性・協働性の育成」の3つの柱について、DVDでの実際の授業風景をご紹介しながら分かり易く丁寧に説明させて頂きました。最後に石飛教頭兼入試広報部長から2016年入試結果と2017年入試の予定等についてご説明して全体会は終了、その後は校舎内の施設・設備の見学を中学生徒会の役員諸君の誘導によりお回り頂きました。

 終了後頂いたアンケートでは、いささか手前味噌ではありますが、「校長先生の学校についての説明は短い時間でありながら大変分かり易かったですし、先生方もとても感じが良く好印象でした。高校生の皆さんの修学旅行の事前学習は大変良く調べられていて感心しました。是非気をつけて行ってらして下さい」とか「校長先生の教育についての話は非常に分かり易く授業風景での生徒達も活き活きとしていて学校自体に好感を持ちました。高校生の代表もとてもしっかりしていて感心しました。先日、国際フォーラムでお話を窺い、本日初めて学校に伺いましたが、娘の受験校として具体的に検討したいと思います。本日は有難うございました」という6年生の保護者の方からのご感想を拝見するにつけ、身の引き締まる思いが致します。ただ、高校生の発表については、「高校生の発表は素晴らしかったが、小学生には少し難しかったので、中学生の話も聞きたい」という6年生の保護者の声もあり、まさに然りの思いも致しました。今後更に工夫していきたいと思った次第です。アンケート中の「本校に期待する項目」の中に、今年初めて「面倒見の良さ」を入れたところ、何と54名の方々に○を付けて頂きました。「学力の向上」(43名)や「進路実績(大学合格)」(27名)の多い事もさることながら、私学の独自性という観点からも大事にしていきたい項目でした。1学年120名の定員で、男女共学の私学にしては最も人数が少ない学校の利点を最大限活かしながら、より一層きめ細かく面倒見の良い学校を目指して頑張りたいと思います。