第29回聖祭(文化祭)、好天のもと終了

 長期予報では、先週いっぱいずっと雨、昨日、今日あたりも決して良い予報ではありませんでしたが、この間すこぶる良い天気に恵まれ、本校第29回聖祭は9/10(土)~11(日)の2日間、2,100名に達する来場者をお迎えし、無事終了致しました。そのご報告を中心に9月第1報をお届け致します。

 例年より若干早い開催ということもあり、例年より早く8月30日(火)に始業式を行い、その日以降本格的な準備に入り、その日から11日間、全校生徒一体になり、各種催し物の制作や演劇の練習等に取り組んできましたが、この2日間を振り返り、十分に力を出し切ったクラスもあれば、少人数の学校なればこその宿命から、一人で二役三役とこなさなければならないことから、力の入れ具合も分散し、存分な成果に結びつかなかったクラスもあり、結果の評価にはそれぞれ複雑なものもあったように思われます。前回の校長日記でもご紹介のように、今年のスローガンは「Let’s 聖(say)」、みんなで一致協力、各クラス、委員会、部活動等での日頃の活動の成果を、外部に向けて大いに発信しようということで、私も開会式で、「Let’s 聖(say)声高らかにアクティブに発信しようぜDon’t be shy!」と檄を飛ばしましておきましたが、ご来場の皆様方にはどのように見て、聞いて、触れて、味わって、感じ取って頂けたでしょうか?

 中1から高2まで全クラスの出し物について、厳しくも温かく現役生徒を見守ってくれるOB 4名と、私を含めた教員数名とで審査して、中学、高校から各1クラス、グランプリを出すということでしたが、厳正な審査の結果、中学は3年1組の演劇「ダブリンの鐘つきカビ人間」、高校は、1年C組のアトラクション「Flying Carpet」に決定致しました。中3の「ダブリン~」は後藤ひろひと氏原作の本格的な演劇で、商業演劇としても有名な作品で、私の経験では前任校で高校3年生が挑戦した記憶がありますだけに、中3で大丈夫かなというのが正直な思いでしたが、案の定ゲネプロ段階では、セリフもしっかり覚えきらず、「コメディでありながらも、美しくも哀しく、そして残酷な童話ラブロマンス」(某劇団のCM)というには余りにほど遠く、これでは本番どうなることかという危惧、心配が募るばかりでした。それが何と、初日そして2日目と、見違えるほどどんどん良くなり、2日目の最終公演はほぼ完璧な仕上がり具合、まさに「奇跡」だと思うと共に、この年代の子ども達の無限の可能性を目の当たりに致しました。長いセリフや複雑な言い回し、中には関西弁で鮮やかに喋りきる姿に圧倒されました。「やればできる」ではないか、初めから「どうせ無理」という発想さえ捨て去れば、子ども達はここまで頑張れるのだと強く確信致しました。この子達の今後の活躍は何とも頼もしくなると共に、総合芸術としての演劇のあるべき姿を見せてくれたことに心から讃辞を送りたいと思います。

 次に、高校グランプリの「Flying Carpet」ですが、「魔法と神秘に包まれたアラビアンナイトの世界」で「空飛ぶじゅうたん」という訳にはいかないものの、手押し車に乗って、美しく装飾された空間を楽しめたということでは、他のアトラクションに比べて一歩ぬきんでていたように思います。1Aの「ルンルン電車」も楽しい乗り物でしたが、ほんの一瞬、あっという間に終点ではやや物足りなさが残りました。また、1Cの「てっちゃん家」というお化け屋敷も迫力はあったものの、お化け自体の創意工夫という点では不足感を禁じ得ませんでした。「Flying carpet」は6月に全校で鑑賞した劇団四季のミュージカル「アラジン」に触発されたものでもあり、こういう所にも芸術鑑賞会等を通じて、本物に触れることの如何に大切であるかを感じさせられました。高校2年生は最高学年でありながら残念ながら賞には達しませんでしたが、文系、理系に分かれて、クラス人数が少なくなったことと、文化祭実行委員会の中枢メンバー(大畑委員長も2D所属 )として、まさに縁の下の力持ち的役割に徹し、実行委員会発足当初から企画、立案、運営等に深く関わり、クラスの出し物への協力もままならなかったこともあろうかと見ております。その他、部活動、委員会、或いは有志団体としても出し物有り、ということで、クラス出し物に全力を傾注できなかったということに尽きるように思います。閉会式で、大畑委員長自身「私のようなポンコツ委員長に良くついてきてくれた」と謙遜しておりましたが、生徒自身が企画し、多様な仲間達と激しい議論の応酬のうえ、互いに切磋琢磨し合いながら無から有を作り出していく行事である文化祭こそ「アクティブ・ラーニング」の最たるものと思います。日常の授業自体の中に導入して行くことはもちろんとして、学校行事の中で最もアクティブな活動である文化祭は、受験勉強とは異なり、一人では決して成就し得ないものとしての教育的意義の大きさを今回もまた充分に感じ取らせて頂きました。今年もまた「青春の坩堝となりし聖祭汗と涙のさやけかりけり」と胸の内に呟きながら閉幕致しました。

 なお、文化祭期間中もミニ学校説明会や、OBの先導する校舎案内等実施致しましたが、受験生関係では延べ460余名の方々にお出で頂きました。お忙しい中やりくりされてお出で頂いたことに感謝申し上げます。折角のご来校にも拘わらず、短時間の説明で或いは十分にご理解頂けない面もあったかと思いますが、今後も折々に大小の説明会を開催していきますので、本校HPをご覧頂きながらお出かけ頂ければ幸いです。