中学 1 年生「数学」連立不等式を学ぶ (2017.10.26)

 先週末襲来した台風 21 号では、各地に甚大な被害が出てしまいましたが、本校でも 23 日(月)は、交通機関の乱れもあり休校と致しました。ただ、当日は、高校 2 年生の修学旅行 出発日、広島・四国方面、伊勢・関西方面、東北・北海道方面と今年で 3 年目となります多方 面修学旅行に向けて、東京駅、新横浜駅での集合としておりましたが、朝のうちから横浜線が全線不通となったのに巻き込まれ、新横浜駅集合班のみ、2班に分かれての出発を余儀なくされてしまいました。その後は各地天候に恵まれて順調に日程をこなしております。

 さて、校長の授業参観記第2弾ですが、校舎3階から山頂部に美しく冠雪した富士山が 望まれる中学1年 2 組の数学の授業をご紹介致します。

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 植竹教諭は、今年度中学 1 年生の学年主任として、1~3 組まで担当、その全ての授業で アクティブ・ラーニング型授業(以下 AL 授業と表記)を実践、日々試行錯誤しながらも、生 徒自身或いは友達同士、互いに協働しながら、受け身になることなく、学習に自発的に取 り組む姿勢、自ら調べ考える習慣をつけていくことを目指しております。 本日の授業は、「連立不等式(1)」のワークシートプリント(No.55)に.示された各種問 題、前時間に配付し、解答を個人または班員相互に相談し合って解いた答えを、指名された各班の代表が板書し、それを丸付け係と称する生徒が前に出て正解の場合には〇、不正解の場合は訂正してあげる、という手法で授業が進められ、その途中で、植竹教諭の適時適切な指導、助言がなされるという展開、この間、生徒は自分の答案に目通しし、正否の確認をしたり、よく理解できない問題について友達と協議したりという活動がなされてい ました。続いて、本日新たに配付されたワークシート No.56 「連立不等式(2)」の問題に取 り組み始めましたが、ここでもまず個人で考え、解き始めますが、途中で行き詰まると、班員と相談したり、場合によっては班を抜け出し、他の班のメンバーと相談したりすることも可能となっております。この段階で教室のあちこちから「ああ、なるほどね」とか「で きた!」「やったー!!」「なんで?」「これあってないの?」など、特にまだ声変わりしていな い男子の黄色い喚声が上がります。自分で理解出来ていなかったことが、友達の一言によって、分かった時の感動表現として微笑ましく聞いておりました。学校行事などの各種イベントの中でこそ、詠嘆、感動の場面によく遭遇しますが、このように日常の授業の中で の「笑顔と感動」こそ貴重なものはないのではないかと見ている私の方が嬉しくなりました。

「学び合う」生徒たち

「学び合う」生徒たち

「教え合う」ことで成績も向上

「教え合う」ことで成績も向上

 

 数学の得意な生徒が、やや不得意な生徒に誇らしげに教えている姿もまた美しくなにものにも替え難い光景でもありました。

 AL型授業については、教科、学年によって、その取り組み方は様々ですが、植竹教諭の場合、以下のような目標を見据えながら実践されていますので、その一端をご紹介致します。

  • 班員同士互いに教え合うことで相互の理解力を高めること。
  • 一見、教わる方にだけ得があると思われがちであるが、教える側と教わる側で、どちらがより勉強し理解できるかと言うと、多くの生徒が教える方と答えていること。
  • 一部の生徒が理解してどんどん先に行くことではなく、クラス全員が理解すること、つまり、誰一人として遅れる人を作らないことが最大の目標である。そうすることで、教える側の生徒の理解度も高まる結果となること。

 本日の授業でも、授業の合間合間に適切な指導、助言を差し挟むことで、上記のような目標を生徒自身にもしっかり認識させながら展開されていたことを目の当たりにさせて頂きました。中学1年生というまだまだ無邪気で価値観も定着していない子供達に、粘り強くかつ教師自身いかに忍耐強く継続的に取り組んでいくかが、このAL型授業実践に不可欠なことであることを実感させられた授業でもありました。