中学1年生「英語」基礎・基本の定着を目指して (2017.10.31)

 2週連続の台風襲来、大雨に祟られ辟易でしたが、昨日30日(月)は、見事に晴れ上がり、朝の通勤経路でもある多摩ニュータウン通りの公孫樹の木が、眩しいくらいの陽光に照らされ、鮮やかな黄葉になっていることに気付かされました。ここ聖ヶ丘界隈の紅葉も一気に進み、都立桜ヶ丘公園のモミジ、ケヤキ、花水木などの木々も、例年より早く色づいているように感じられます。
さて、校長の授業参観記第3弾ですが、校舎3階からきれいな紅葉も見渡せる尾根環通りに面する1年4組の教室で、英語の授業を参観致しましたのでご紹介致します。

実施概要

 本校の中学一年生の英語は週に6時間ありますが、そのうち、4時間を日本人教師が担当し、英語学習の導入期、まずはしっかり基礎・基本を教え込む一方で、初期の段階から本物の英語に接するべく、1クラス30名をさらに半分に分け、15名ずつALTによる英会話の学習をしております。ALT担当の残り半分は日本人教師が受け持ち、少人数ならではの利点を生かしながら、単語、文法等の基礎的事項についてしっかり教えます。

 小泉教諭は、今年度本校に着任した新進気鋭の女性教員で、留学経験もあることから、その発音の美しさには定評があり、まだまだ幼稚で無邪気な中学1年生を相手に、流れるようなスピード感を持って授業が進められ、参観している私など戸惑うような場面もありましたが、先生の適時にして適切な質問に迅速に反応する生徒の姿に接し、入学後半年にして、よくぞここまで指導して頂いた事と半ば感銘して参観致しました。ただ、小泉教諭には明日から産休に入ることとなり、本日は代替教員をお願いする田邊教諭にも一緒に参観して頂き、双方でしっかり受け継いで頂いた次第です。

 さて、本日の授業ですが、教科書のLesson 6  「My Family」を教材にして、初めは前回の復習を兼ねての一斉授業、この夏、全教室に導入したプロジェクターの画面に投射された本文並びに音声をなぞりながら全員で音読を繰り返した後、2人1組のペアリーディング、メンバーを交代して2回繰り返し、本文の暗記にまで到達させる段階になったところで、もう1回全員でスピードを変えてのリーディング練習、この辺まで来るとほぼ全員暗誦できる状態になったと見るや、「言えたら書けるようになるはず」という合い言葉のもと、各列の指名された順番に前に出て、先生の発音する英文を聞き分けながら一文ずつ板書する作業に入りました。いわばDictationの学習ですが、結果として、全員が前に出て、スペルを間違えないように記述したものを、全員で読みながらスペルの誤りをチェックすることで、誤りやすい単語に注目させる仕掛けになっております。一人が間違えたスペルを全員で直して上げるという過程においては、決して個を批判しないという相互敬愛の気持ちが自ずから身についていくように感じられました。誰ひとりとして、黙っていない、黙らせない、必ずなにがしかの発音、発声を繰り返しながら、テンポ良く授業が進められました。英単語、英文法など基本的な知識、技能がしっかり身につくような仕掛けを意図しながら、常に間断なく問いかけ、答えを引き出しながらまた次に進むという重層的とも言える授業構成は、子供達にむだなおしゃべりをする隙も与えない印象を抱きました。

 授業の最後は、本時の振り返りの小テスト、①~⑦まで一文ずつ、先生の発音を聞きながらのDictation Testで、知識、技能の定着度の確認テストをすることで終結する授業構成は、見ていて小気味よいものでした。全体から個人、或いはグループになり、最後にまた全体で確認した後、個人個人の知識、技能の定着度を測るという流れ、まさに1時間の授業の中で、動と静、アクティブな活動をさせながらもしっかり基礎を身につけさせる、子供達の動きに細心の注意を払いながら、英語に興味・関心を抱かせる創意工夫に満ちた授業でした。英語学習の初期段階において、飽きさせない、嫌いにさせないことのいかに大事なことであるかを改めて実感致しました。

 中学1年生は先週27日(金)、東京テレポートにあるフジテレビの湾岸スタジオで、「目覚ましテレビ」の模倣版とも言える「フジテレビのお仕事!」という体験学習をしてきたばかりですが、本校の教育方針の一つ、「本物から本質に迫る教育」を地でいくような体験をして、一回り大きく成長したような印象を抱きました。と申しますのは、117名、クラスを解体して4チームに分かれ、「目覚ましテレビ」で実際にやるようなニュース、天気予報、「ここ調(しら)」(事前に学校でアンケート等取って調べた内容を紹介するもの)を、リハーサル、本番とフジテレビの担当の方々から手取り足取り指導して頂いた結果、分秒という時間の大切さを身をもって感じ取ってくれたように思います。大人社会の仕事体験を通じて、何かしら得てくれたように思われて仕方がありません。

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