高校1年「保健」授業でのAEDの実践講習 (2018.2.14)

 2月1日(木)から5日(月)まで断続的に実施した中学入試、2月12日(月)実施の高校入試も無事終了、合格されたお子様方の入学手続きもほぼ終了し、学園は再び静かな学習環境を取り戻しつつある中、今月21日(水)からニュージーランドへの修学旅行に出発する中学3年生は、今日と明日の2日間、中学生活の締め括りとしての期末考査を実施しております。中学1、2年生も本日は学習推移調査を実施、確かな学力の定着度合いが試されております。そんな中、年末年始、入試業務等と何かと慌ただしい中、暫く見送っておりましたが、本日5時間目に高校1年生の「保健」の授業を参観致しましたので、以下にご紹介致します。

waku0215

 

 高校1年生の「保健」は、週に2時間が必修となっており、保健体育科の教員が2人で分担して担当しております。綿密な連携の下、1学期は主として「現代社会と健康」、2学期は「生涯に通じる健康」、3学期には「社会生活と健康」という大括りの単元設定で、健康で文化的な社会生活を送るには、個人としてどのようにしたらよいか、また社会的にどのような福祉制度があるのかなど、様々なテーマに則しての学習をしておりますが、本時では、「応急手当の意義とその基本」という小単元で、実際に学校に備え付けられている心臓救命装置である「AED」(Automated external defibrillatorで、自動体外式除細動器と訳される)を利用した救急救命手当の実践を致しました。

 39名のクラス人数を、実践の内容上、男女別々の5班に編成し、1班が7~8人構成、それぞれの班単位で、①傷病者(倒れる人) ②発見者(第1発見者という想定) ③協力者(119番通報する人)④AEDを取りに行く人(通常、校内には、職員室、事務室、体育館の3箇所にあるが、今回は特別に保健室に行く)⑤職員室内の先生を呼びに行く人 ⑥記録係 というような役割分担をして、全班で実施致しました。始めに、本村教諭のお手本を見て、胸骨圧迫の練習を何回か繰り返し、1分間に100~150回、両手を重ねて肘を伸ばして、心臓に見立てた器具を押す練習に慣れたところで、実践スタート、第1発見者は、まず安全の確認をした上で、傷病者の反応の確認、呼吸の確認等を手早く済ませ、各役割の人に指示を素早く出し、指示された人はそれぞれの役割に則って、機敏に反応しておりましたが、実施教室が校舎5階という、職員室や保健室から一番遠い位置にあることから、戻るまでの時間がやや待ち遠しい感じが致しました。

 AEDが到着するや、電極パッドを心臓に貼り付け、電源を入れた後はAEDから発せられる音声ガイダンスに沿って、胸骨圧迫を止めて、AEDによる心臓のリズムの自動解析に応じての電気ショックによって、心室細動の再起動を待つという様な手順で行っておりました。役割決めの段階から、班員相互にスムースに各役割を決めて、それぞれの任務を忠実にこなしておりましたが、1班終了の度に、じっと観察していた本村教諭から、良い点や改善すべき点についての細かな振り返りのコメントが入り、それをまた熱心に聞き入っていた姿を見るにつけ、各教科でのアクティブ・ラーニング型授業も定着していることが垣間見られました。各自主体的に行動しながらも、多様な仲間達と協働して課題解決(ここではもちろん人命救助という大命題ですが)に結びつけるという行動が実にてきぱきと出来ておりました。私どもも、自治会の避難訓練等でAED操作の体験をしたことがありますが、より若いうちにこのような体験をすることで、いつ何時起こるか分からない天災、人災等への対応として、慌てず騒がず冷静に対応できるのではないかと思うにつけ、大変有意義な体験授業であったと思います。

 胸骨圧迫で心臓マッサージ 1,2,… 

写真1 胸骨圧迫で心臓マッサージ 1,2,…

写真2 模擬AEDを使って操作開始

写真2 模擬AEDを使って操作開始