中学1年生、1クラス2展開の英語学習 (2018,6,20)

 先週末(6/16)をもって、11名の実習生による、3週間にわたる教育実習も終了したかと思いきや、7月2日(月)から始まる期末考査まで、ということは、1学期の授業終了まで残り10日ばかりとなり、校内は何となく慌ただしくなって参りました。前回まで3回にわたり実習生によるAL型授業等、挑戦的な授業参観の模様をご紹介致しましたが、本日は、中学1年生の英語の授業を参観致しましたのでご紹介したいと思います。

 本校の中学生の英語学習は、各学年とも週に6時間を配当し、1,2年生はその内2時間を1クラス2分割し、一方はALTと日本人教師によるTT(ティームティーチング)体制で、主として英会話(Speaking とListening)中心に展開し、もう一方は、日本人教師による、主としてWritingと Reading中心の授業をしております。残り4時間は、1クラス単位で実施、こちらは教科書を中心にした授業となり、Reading,Writing,Listening,Speakingの4技能を育成すべく総合的な学習を展開しております。前回ご紹介した村田実習生の授業がそれに該当致します。中学3年生と高校1年生もALT担当の授業(各クラス週1時間相当)は2分割して実施しておりますが、こちらはALT単独で担当し、その裏で日本人教師が所謂読解中心の授業を展開しております。本日参観したのは、中学1年1組の2分割した授業で、その両方について時間差をつけて参観致しましたので以下にご紹介致します。                 

 

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 前回の村田実習生の授業でも触れましたが、中学1年生のこの時期、これから長期にわたり学び続けなければならない本格的な英語学習の導入期として、いかに英語に興味・関心を抱かせ、自ら主体的に学習に取り組む態度を養うとともに、多様な仲間と協働して、文字通り、「主体的、対話的で深い学び」を実現していくかという極めて重要な時期かと思います。そういう意味では、今回参観した2分割展開の授業それぞれに、ALTを含めての緊密な連携の下、双方に重複する短文も幾つか交えながら、生徒が混乱なく学習できるような配慮がなされておりました。それぞれの内容は以下の通りです。

  • 広い実習室(50名収容可)に13名の生徒とALT、中澤教諭の15名、がらんとした空間ではありましたが、前時の復習でしょうか、「Where is ~」「It’s on/under/in/ the ~」の構文の練習、例えば、13名全員を起立させた上で、一人の生徒に「Where is the pen?」と質問しながら、持参のペンを机の上に置くと、当てられた生徒は反射的に「It’s on the table.」と答えて座ります。これを、机の中や下、椅子の上、筆箱の中など場所を変えて「on/in/under」などと変えながらてきぱきと当てては答え、座ることを繰り返します。実にアクティブでテンポ良く、見ている方も体が自然に動いてしまうほどでした。

 13名全員に当てて、一通り、練習した後、いよいよ本時の核心ですが、「Interview test」というプリント(これは担当者間で調整し、日本人教師が作成)を配付し、「Q1.May I ask your name?」 から「Q10. What time is it now?」までの構文を、ALTの読みに従って全員で読んだ上で、それぞれの質問の答えを右半分の解答用紙に自分で書かせておりました。自ずからにして、ListeningとWritingの練習となっておりました。この間も生徒の動きは活発で、隣の人或いは机間巡視の中澤教諭に質問したりして口を動かし手を動かしての活動が相次ぎました。この授業はここまで約30分、一旦切り上げて同時展開している大場教諭の授業に移動しました。

  • こちらは1年1組の普通教室でやはり13名という少人数、いずれも、本校の教育方針の1つである「少人数できめの細かい指導」が思う存分に発揮されておりました。大場教諭は、ICTに造詣深く、デジタル教科書と教室設置のプロジェクターを駆使しながら、教科書本文にある英語の原文を黒板に投射して、その上にチョークを使って必要事項を書き込んでいくという手法で、こちらもテンポ良く、ほとんど生徒とのやりとりを中心に授業を進めておりました。そこで扱っていた教材は、前回村田実習生のところで紹介したKenと Emmaのやりとり、例えばKenの「What do you have in your hand?」という問いに対して、Emmaが「I have a book about bento.」と答えていた、教科書所収の文章の学習でした。文の途中を抜いたものをまず提示し、そこに必要な語句を入れ込む作業では、各自書き込んだ上で、日本語訳をさせて、隣の人とシェアし合うという協働学習の一端も垣間見られました。ここにも本校の教育方針の1つである「主体性と協働性の育成」を意識した授業風景が見られました。

 今年度は、本校始まって以来のALT担当授業数で、中1から高2まで全32時間を、専任化したMr. Jordan De Graafが18時間(中2、中3、高1、高2担当)、非常勤講師のMr. Brandon Lindsayが14時間(中1、中2、高1)を担当しておりますが、彼らの授業はそれぞれにアクティブで、ともすれば引っ込み思案の生徒諸君も活発にInterviewを受けたり、自らPresentationをしたりすることが習慣化しております。中1でのこのような学習体験が、中2でのイングリッシュキャンプ、中3のニュージーランドへの修学旅行、更には昨年度から始めたニュージーランドへのターム留学へと、グローバルな視野を拡大させていくための意識の高揚を図ることの下地になっているものと考えます。

今日も楽しく学ぶ英語の授業

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13人1クラスの英会話

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