第2学期中間考査始まる、各種進路行事終了

先週に入って急に季節の動きが早まったかのような陽気が続き、一気に秋色その濃さを増しておりますが、皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか?本日から本校では2学期の中間考査が始まり、中高校生共々に、真剣な眼差しで試験に取り組んでおります。校内も、長い時間の推移の中でみれば一瞬ではありますが、えも言えぬ静寂感の中に緊迫した雰囲気が漂っております。日頃の成果を遺憾なく発揮することを祈りながら10月第2報をお届け致します。

 少し遡りますが、10月4日(火)、5日(水)には、中学、高校の順に朝礼を行いました。奇しくもノーベル賞ウイークに入り、前日3日(月)には医学・生理学賞で、大隅良典東京工業大学栄誉教授が受賞したというビッグニュースが飛び込んできましたので、両日ともその話題が中心となりました。昨年の大村智先生の時もそうでしたが、地道にコツコツと基礎研究を積み上げてきた結果の受賞であることを強調し、「自ら問いを見出し、物事の本質を探究し、1つの結論を導き出すこと」の繰り返しこそ成功に繋がるものであり、それは普段君達が行っている勉強そのものであることと、本校で展開しているアクティブ・ラーニングにも直結するものであると結びました。

 10月5日(水)、5、6限を使って、今年度第2回目となる「大学模擬体験授業&説明会」を開催致しました。「今まさに大学で行われている最先端の授業に接することによって、知的好奇心を高め、将来の進路選択に備えて、各大学の特徴や入試制度等に関する情報を得る」ことを主たる目的にして、来年度の文理選択(高1)や、科目選択(高2)を控えている2つの学年を対象に、10大学10人の先生方にお出で頂き、「地域・生命科学・国際・情報・健康・法学・工業・建築・心理・人工知能」という10学問分野にわたり熱く語って頂きました。私も宇都宮大学の近藤伸也先生の「地域デザイン」の授業、東京大学(産業技術研究所)の大石勝隆先生の「体内時計と健康」という授業をお聞きしましたが、実に解りやすくアクティブで、聴講していた生徒諸君も次々と発言したり質問したりで、普段の授業に臨む姿勢とやや異なる姿に戸惑うくらいでした。6月に第1回を開催しておりますが、今回の模擬授業もまた、彼らには相当に刺激的であり、今後の進路選択に大いに参考になったものと実感致しました。

 10月8日(土)には、午後13:20~15:45頃まで、「地方国公立大学説明会」と銘打って、高2の理系生徒全員と、高1、高2の文系、高3の希望者並びにご希望の保護者の皆様を対象にした魅力的な説明会を開催致しました。「少人数できめの細かい指導」は本校の教育方針、3つの柱の1つですが、進路指導でここまできめの細かい指導をしている学校は余りないのではないかと自負している企画であります。今年度で6回目となりますが、ほぼ毎年お出で頂いている山形大学の門馬甲兒先生始め、今年は岩手大学、信州大学の各先生方、さらに今年も本校OBも加わってくれまして、鳥取大学からは22期の渋谷卓さん、宮崎大学から26期の宮城祐也さん、高知大学から下高下健介さんが忙しい研究の合間を縫って駆けつけてくれました。彼らの後輩を思う心根の優しさこそ聖ヶ丘の特色であることを実感致しました。この説明会があってこそ、彼らは地方国立大学に進んだわけで、毎年この説明会に刺激を受けて、地方国公立大学を目指す生徒が必ず出てくることに感謝しております。3人のOB共に見事なプレゼンテーションだったと、毎回お出で頂いている門馬先生にお褒め頂いたことも学校としては嬉しい限りでした。宮城、下高下さんはこの春卒業したばかりの26期生ですので、アクティブ・ラーニングの成果がこういう形で結実しているかも、と感じ取らせて頂きました。

 10月13日(木)、14:30~16:00までアフタヌーン説明会を開催致しました。平日の午後、普段着の授業を参観して頂くことを主たる目的にしたものですが、今回は中学受験、高校受験希望の皆様の保護者(一人小学生が学校を早退してまで駆けつけてくれましたが)を中心に12組15名の方々にお集まり頂きました。例によって私の方から本校の教育の特色(建学の精神や教育方針等不易流行の教育活動等)について30分ほど説明した後、中学1年生の英語の授業、中学3年生の国語、理科(生物)の授業等を参観して頂きました。短時間の参観でしたが、お集まりの皆様には本質を良く見抜いて頂き、戴いたアンケートでは、「本日は大変充実した時間を提供して頂き誠に有難うございました。貴校の生徒さん達の熱心な姿勢に大変感銘を受けました。娘が貴校の充実した施設と環境の中で、自分の目標に向かって学んでいくことが出来ればよいと思います。」とか「在校生一人ひとりがご挨拶をして下さって取っても嬉しく思いました。規律正しく、笑顔が明るくとっても良い印象でした。学校の教育方針に感銘を受けました。」などというお声をお寄せ頂くとともに、平日のお忙しい中お出で頂いたにも拘わらず、「学校のありのままの姿や先生方の率直な想いや考え方をお聞きすることが出来、良かったです。」とか「本日はこのような会を開催して頂き有難うございました。受験本番に向け、準備を進めたいと思います。受験情報が大変役に立ちました。有難うございました。」など主催者側の労をねぎらって頂くようなお言葉もあり、こういう方々には是非お入り頂き、共に学園生活を過ごさせて頂きたいという思いに駆られてしまいました。最後に、石飛教頭兼入試広報部長から今年度入試の総括と来年度入試に向けての傾向と対策について、中学・高校共々に説明させて頂くと共に、聖ヶ丘の目指す教育について、私の説明を更に敷衍する形での説明をさせて頂き散会となりました。終了後も熱心に質問をして頂く保護者の方もいらっしゃり、心温まる思いも致しました。

 10月15日(土)午後から今年度第3回目の保護者会でしたが、各学年共に、クラス会、全体会等開催する中で、高校3年生については、最後の全体会とのことで、校長として一言(と言っても一言では済みませんでしたが)ご挨拶申し上げました。「27期生は、私が校長に就任した初めての高1生で、過去の経緯は知らないまま、『校長室のドアはいつでもオープンです』と就任時の挨拶で話したところ、真っ先に校長室に来てくれた学年で、それ以降種々の要望や意見を折々に伝えに来てくれたことから、何人かの生徒とは最も親しく付き合うこととなり、楽しく過ごさせてもらいました。取り分けこの学年から学校行事改革ということで、修学旅行を初め主要な行事の改革をしたことから、何かと大変であったと思いますが、学年の先生方と一致協力し、よくやってくれたことに感謝しております。」と挨拶させて頂きました。聞くところによると、何かとよく叱られる学年であったとのことから、阿川佐和子さんの『叱られる力』という著書をご紹介しながら、よく叱られた子どもは大きく成長するはずと結びました。受験を目前に控えた彼ら27期生の底力を信じて来春吉報を待ちたいと思います。

 今日から始まった中間考査は20日(木)で終わりますが、最終日には、すぐお隣にある東京都立多摩桜の丘学園の肢体不自由教育部門高等部1年~3年生7名と、引率の先生方8名、看護師さん2名の皆様の学校訪問が予定されております。建学の精神の1つに「敬愛奉仕」を掲げており、普段から近隣の老人健康施設や特別支援学校などにボランティアとして出向くと共に、つい先日も中2と高1の生徒代表による赤い羽根募金等に参画しておりますが、今回の桜の丘学園の皆さんをお迎えするにあたり、吹奏楽部の生徒諸君の全面的協力を得て、「音楽鑑賞会及び音楽活動を通じての交流活動」と銘打って、建学の精神の具現化を図りたいと思います。

 10月21日(金)は本校の創立記念日で一般生徒は休業日となりますが、中学1年生は都内2コースに分かれての社会科見学実習が予定されております。1つは、私も引率する日本銀行、貨幣博物館と東京証券取引所中心に見学するコースですが、ここでは、昨年に引き続き、昼食時に、前任校(東京学芸大学附属高等学校)のOB・OGで日銀に勤めている5名に合流してもらい、日銀の金融政策等詳細について窺う予定となっており、私も久しぶりに再会する彼らの活躍ぶりが聞けることを楽しみにしております。今ひとつのコースは、「江戸・東京の形成と変容」と銘打って、江戸東京博物館見学を中心に、両国周辺から水上バスに揺られ浜離宮、泉岳寺方面を見学する予定です。

 翌22日(土)には「平成28年度私学振興拡充第11支部大会」が、今年度支部長校である桐朋中学・高等学校 ホールを会場に開催されます。これは、11月15日(火)人見記念講堂で開催される「平成28年度私学振興予算要望期成大会」、更には11月29日(火)東京・メルパルクホールで開催予定の「平成28年度私学振興全国大会」へと繋がるもので、29年度文科省予算或いは東京都予算での私学振興政策に反映される大会となっております。秋の深まりと共に、後援会の役員の皆様のご協力も得ながら対外活動にも忙しくなります。

 なお、来週24日(月)からは高校2年生の3方面修学旅行(カンボジア・沖縄・広島、出雲方面)が始まります。共通するテーマは『平和』となっておりますが、生徒が主体的に行き先を選び、クラスを解体して各方面別にグループを編成し、班別にテーマを決めて事前学習に取り組み、現地に出向いて本物に触れ、見て、聞いて、などの調査・探究をし、終了後にそのまとめをして後輩にプレゼンすることで完結するという学校行事版アクティブ・ラーニングとなります。26日(水)からは中学2年生のイングリッシュキャンプを富士吉田市のホテルを借り切って実施致します。これも昨年から始めた行事ですが、ネイティブの先生方10人と共に、朝から晩まで英語漬けの生活をすることで、日常会話に困らないような英会話力を養成すると共に、英語に対する興味関心をより一層高めようという目的を達成してくれることを祈っております。