五十嵐校長の授業参観記 第48回衆議院議員選挙を目前に (2017.10.12)

平成29年度スタートに当たり、従来の「五十嵐校長のWeb日記」に代わり、今年度は「五十嵐校長の授業参観記」なるものを折々に紹介させて頂く旨、宣言させて頂きながら、諸般の事情により、今年の秋も深まり行く頃になってしまいましたことをまずはお詫び申し上げます。遅ればせながら、本日始動、偶々高校2年生の公民科「時事問題」という授業の中で、目前に迫ってきた第48回衆議院議員選挙の模擬投票を取り上げてくれましたので、時宜を得たものと思い、早速に紹介させて頂きます。

*実施学年・科目・単位数(人数)・担当教諭名:高校2年生(文系)・公民科選択科目(時事問題)2単位(11名)・染谷秀子教諭*実施日時・場所:平成29年10月12日(木)2限・Learning Square

この「時事問題」という科目は、まさに世の中で起こる森羅万象が素材になるもので、

日々、時々刻々に生起する日本はもとより世界各地の諸問題を授業の題材として取り上げ、それぞれの問題について分析しながら、自分の意見を毎時間最後に書いて提出することになっております。そして毎月初めの授業で、先月の問題について、日本、海外とに分けて発表することで、認識の定着を図っております。この作業を継続していく中で、多様な意見を持つ仲間達と議論・協働しながら一定の結論に達する、或いは結論は敢えて出さないまでも、意見交換を交わす中で互いの思考力・判断力・表現力を高め合うことを目的にしております。

10月12日(木)の授業は、上記の通り、10月22日(日)に予定されている衆議院議員選挙を前提に、11名の生徒全員が、候補者になったつもりで、各自の政策を発表し合った後、参観している教員ならびに候補者全員も即投票に移るという流れで展開されました。所属政党は、自民党や民進党などの既成政党の他、都明党、獅子党などの新党結成者、さらには無所属と、創意工夫を凝らしながらも、今回の衆議院選挙における混乱ぶりを反映したようなユニークなものもあり、参観する有権者の興味関心を高めておりました。

さて、いよいよ各候補者の政策の発表となりましたが、11名全員前に出て、声高らかに政策を訴えるかと思いきや、普段からおとなしい学年という定評を得ている学年の本領発揮、まず恥ずかしさが先行し、どうしても自ら作成したメモを見ながらの発表が多かったのはやや残念ではありました。選挙においては、政策の中身もさることながら、声の大きさや発表態度、時にははったりなども必要とされるだけに、有権者の心にどのくらい響いてくれたか心配な発表もありました。ただ、政策の中身という点では、11名中9名まで最近都議会でも話題になった受動喫煙防止に関わる案件を強調していたのは印象的でした。

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各候補者のポスター掲示                     候補者による政策発表風景

互いに相談してそのような案件を取り上げたことでないとしたら、若者にとって、最早喫煙は縁遠いものとなってきていることを実感させられ、喫煙している方には申し訳のないことではあるが、日本の未来は色々な意味で明るいのではないかと思いました。一方で、若者の感性は種々様々で、巷間取り上げられているような消費税の問題、北朝鮮問題、憲法問題、東日本大震災の復興問題、労働者の働き方問題(プレミアムフライデー含む)、少子高齢化問題、原発ならびにエネルギー戦略の問題、国会議員の報酬削減問題(議員定数の削減含む)、人作り革命や教育の無償化問題等々、それぞれに説得力のある訴えが相次ぎ、我々大人自身、22日の投票日に向けて様々考えさせられる授業でありました。授業後の即日開票の結果、ここ聖ヶ丘選挙区においては、自民党の早川侑希さんがトップ当選となりました。早川さんの地元に密着しつつ、多様な政策について自信を持って力強く訴えたことが有権者の心に染みこんだものと思われます。さて、22日投開票の本番ではどのような結果となりましょうか?日本の未来を明るく切り開いてくれるような議員さんが沢山登場してくれることを心待ちにしております。