平成29(2017)年度本格的始動へ

 東京都心では、去る3月21日(火)に開花宣言の出た桜ですが、その後の低温現象のお陰もあり、ここ聖ヶ丘界隈では今が満々開、8日の入学式はまさに満開の桜のもとで無事終了致しました。4月7日(金)に始業式、それぞれ進級した中2、3,高2、3の4学年のみで29年度の幕開けをし、翌日の8日、中学1年生(33期生)117名、高校1年生(30期生)118名を迎えての入学式を挙行致しました。奇しくも今年度、本校は創立30周年となりますが、その節目の年もお陰様で順調にスタート致しましたことをまずはご報告申し上げます。ただ、この「五十嵐校長のWeb日記」も私が校長に就任して以来3年を経過致しましたので、この辺でリニューアルした方が良いかと思いまして、こういう形でお届けするのは今回をもって終了とさせて頂きます。今はまだ年度当初で、健康診断や各種オリエンテーションが続きますので、少し落ち着き、本格的な授業が軌道に乗ってきたところで、今年度は本校の授業について、校長の目から見た感想等種々ご紹介できればということで、今はまだ仮称ではありますが、「五十嵐校長の授業参観記」というような記事を折々に掲載していこうと考えております。

 「五十嵐校長のWeb日記」は、校長就任以来、各種学校行事の改革・改変が続いたことと、東京郊外多摩市に位置する1学年120名という、共学の中高一貫の学校としては、都内でも数少ない小規模校ということもあり、一般的には知名度も高くなく、中学受験を志しているお子様はもとより、保護者の方々にも余り知られていないのではないかという危惧・懸念から、HP上にバナーを立ち上げてもらい、四季折々、自然豊かな多摩丘陵の最高地点に位置する学校で、中高6年間、人生のまさに疾風怒濤の時期に、確かな学力と豊かな人間性を養うべく、「何を、どのように学び、何ができるようになっているのか」をつぶさにお知らせする手段として継続して参りました。ただ、校長就任以来、3年を経過して、改革してきた学校行事もほぼ定着し、昨年あたりは、取り上げる記事によっては過年度と繰り返しになってきたこともあり、この辺で一旦終息させ、今まで折々に綴って参りました教育理念のようなものが、具体的な授業の中でどのように展開されているか、またそこでは「生きて働く知識・技能」をどのように習得させ、それらを活用して「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等」をしっかりと育成しているか、或いは「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習」がなされているか、等々について検証していければと考えております。担当教諭の授業展開の都合もあり、定期的に掲載していけるかどうか今だ定かでない部分もありますが、お時間のある折々に、引き続きご覧頂ければ幸いです。

 さて、29年度の幕開けに関してですが、4月7日(金)の始業式の講話では、本校創立30周年という記念すべき年に、現役生徒として在籍できたことの幸せを噛みしめ、学習に部活に各種委員会活動に積極的に取り組んで欲しいということと、それぞれ進級してクラス替えもあったことから、新しいクラスで新しい仲間と出会えたこと(私の座右の銘とする「邂逅こそ人生の重大事」)を大切に、「敬愛奉仕」の建学の精神を忘れずに「みんな違ってみんないい」の言葉通り、互いの個性、人格を大切に、末永く付き合っていける友人を作って欲しいとした上で、桜が満開になっていたこともあり、「様々なこと思ひ出す桜かな」の芭蕉の俳句を紹介しながら、3月23日(木)の修了式以来たった15日しか経っていないのに、この間に起こった国内外の事件・事故について思いを馳せて欲しいとして、まずは3月27日(月)、栃木県那須温泉ファミリースキー場での雪崩による7名の高校生と1名の教諭が犠牲になった事故の痛ましさと、その後報道された「絶対安全」という言葉の持つ重みについて触れさせて頂きました。それぞれに志を持って高校時代を送っていた将来有為な若者の命が一瞬にして奪われた不条理さに思いを馳せると共に、今ここに無事存在していることの有り難さに感謝しつつ、今年もまた明るく元気に過ごして欲しいと結びました。もちろん、国の内外で起こっている様々な事件として、千葉県我孫子市で遺体で発見されたベトナム籍のニャット・リンちゃんの件、ロシア第2の都市、サンクトペテルブルクの地下鉄爆発事件、さらにはシリアで化学兵器によるものではないかと言われる多くの犠牲者が出た件など、混乱する国際情勢についても常にアンテナを張り巡らせられるような、感受性豊かにして知的好奇心旺盛な若者であって欲しいと致しました。

 翌8日(土)の入学式、暦の具合から土曜日になったこともあり、例年以上に多くの保護者の方々にご参列頂き有り難く感謝申し上げております。中学・高校合同の入学式が伝統になっていることから、講堂の収容人数を超えるのではないかと心配し、予め折り畳み椅子も用意致しましたが、何とかお詰め頂き事無きを得ました。生憎の小雨模様でしたが、中学1年生が前述の如く33期生ということで、既に学年主任の方で「Sun Sun communication」と名付けた学年通信を、4月7日(金)、最初の登校日に第1号、8日には第2号を発行しておりましたので、それに合わせて「燦々と輝く33期生」とネーミング、桜が満開で上々の首尾であったが、燦々と輝く太陽に嫉妬した雨がまさに焼き餅焼いて降ったのではないかと前置きして、固くこわばっている新入生を和らげた上で、保護者並びに生徒諸君が、東京都・神奈川県内、たくさんある公立、私立学校の中から本校に入学して頂いた事への御礼と感謝を、まず申し上げ、もしかしたら本校が第1志望でなかった人もいるかも知れないが、と前置きした上で、残念ながら昨年の暮れに亡くなった渡辺和子元ノートルダム清心女子大学名誉学長のベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』を紹介しながら、入学した学校が第1志望であったと気持ちを切り替え、本校での出会いを大切に明るく楽しく元気よく6年間或いは3年間を送って欲しいとまず訴えました。保護者の皆様には、学校説明会では毎回のように「少人数できめの細かい指導」と申し上げてきたように、大切なお子様をまさに「掌中の珠」として、教職員一体となり、親身になってしっかりご指導申し上げ、面倒を見させて頂く所存でおりますのでご安心下さい、と致しました。最後に一首、当日の個人的感懐として、「頬紅く染めてはにかむ新入生今日から君も聖の仲間」と拙い短歌をご紹介したところ、会場から思わず拍手を頂き恐悦至極に存じました。このような心根の温かい子ども達並びにその保護者の皆様と、この学舎で一緒に過ごさせて頂く事の幸せも噛みしめさせて頂いた入学式でした。
 
 一日、間を置いて今日は全校生徒の健康診断、学年毎の集会行事等、年度初めのオリエンテーションとなっており、中学1年生は明日から2泊3日の予定で、千葉県の九十九里浜白子にてオリエンテーション合宿となります。これもまた毎年恒例の行事ですが、入学後2日をおいての宿泊行事で、保護者の皆様には何かとご心配の向きもあろうかと思いますが、これから始まる本校での6年間の学校生活の基礎・基本的な事を身に付けてもらう大事な行事です。これが終わるとまた一回り大きく成長して、一気に学校生活にも慣れてくれますので温かくお見守り下さい。私も全日程ご一緒し、一人ひとりのお子達の日々の成長の様子をつぶさに拝見してきたいと思います。

 その他の学年では、明日まで健康診断、身体計測が続き、水曜日には高3が授業入り、その他の学年は実力テストとなっておりますが、その後は各学年とも本格的な授業開きとなる予定です。今年度も大中小様々な学校説明会を予定しておりますので、折々にホームページ等ご覧頂き、中学・高校の受験生並びにその保護者の皆様には、是非一度本校に、来て見て聞いて知って頂き、本校教育へのご理解を深めていただければ幸いです。今年度もどうぞ宜しくお願い申し上げます。