第28回聖祭(文化祭)盛会裡に終了 (2015,9,14)

 台風17号崩れの大雨の影響で、茨城・栃木両県から宮城県にかけて大きな被害が出てしまいましたが、その大雨も先週末には終息し、12(土)、13(日)の両日、本校最大のイベントでもある第28回聖祭が好天にも恵まれ無事終了致しました。12日の晴天に比べ、13日こそ1日中曇り空でしたが、心配された雨にはならず、後夜祭まで予定通りに終了することが出来ました。そのご報告も兼ねて9月第2報をお届け致します。

 前回の校長日記でもご紹介の通り、今年の文化祭の統一テーマは「聖春爆発」、夏期休暇中はもとより、8/27(木)、28(金)の両日を準備のための登校日として、本格的な取り組みが始まり、9/1(火)の始業式以降の約10日間、大車輪の準備を重ねてきた結果として、何とか12日の本番に漕ぎ着けました。私を含め、教員4名とOB4名とが全体の審査員として、中学1年から高校2年までの全18クラスの催し物の審査に当たり、グランプリとして中学1クラス、高校1クラスにのみ表彰するという責任の重大さに鑑み、神経を研ぎ澄まし、寸暇を惜しんでこの両日、全クラスの出し物を観賞致しました。ただ、演劇については前日11日(金)にゲネプロを観て審査するという条件も課せられており、朝から夕方まで5団体の演劇(1団体のストンプ含む)の審査がありましたので、実質3日間という厳しい日程となりました。

 今年の特色として、中学1年生4クラスとも英語劇をやるということで、入学後4ヶ月しか経っていない中で、明るく元気な中1生が1組から順に「裸の王様」「白雪姫」「シンデレラ」「クリスマス・キャロル」というアンデルセンやグリム童話で有名な作品を英語で演じるというもので、今年度の本校の重点課題でもある「英語教育の充実・深化」に添う出し物となりました。内容的には15分程度の短編ではありましたが、全クラスそれぞれの持ち味を出し、勇気を持って果敢に挑戦してくれました。中でも、1組などは、初日と2日目ダブルキャストにして、32名全員で演じるという心憎い配慮もあり、未熟ながらも未知のものに挑戦する気概を示してくれましたので、今後の彼らの活躍が益々楽しみになってきました。1日2回の公演でしたが、狭い教室での上演ということもあり、毎回ほぼ満員の集客となり、嬉しい限りでした。

英語劇「裸の王様」に挑戦した1年1組

英語劇「裸の王様」に挑戦した1年1組

「クリスマスキャロル」を熱演した1年4組

「クリスマスキャロル」を熱演した1年4組

 

 

 

 

 
 

 中学のその他の学年では、早くも本格的な演劇に挑戦した2年4組を筆頭に、お化け屋敷やゲームランド、映画の上演にストンプまで多彩な催しがそれぞれにレベルも高く、審査員泣かせでした。結果として、中学グランプリは2年2組の「行くぜ!!怪盗!!~夜の博物館から石を盗み出せ~」というシンプルな宝探し的お化け屋敷のような出し物で、そのアイデア、独創性には審査員皆脱帽、かつ完成度も高く全員一致でグランプリとなりました。3年3組の「ストンプ-foot beat-」も完成度が高く、切れの良い仕上がりになっていましたが、今一歩及びませんでした。

2-2「行くぜ!!怪盗!」石がポイント

2-2「行くぜ!!怪盗!」石がポイント

3-3「ストンプ」の熱演

3-3「ストンプ」の熱演

 

 

 

 

 
 

 一方、高校の部ではさすがに高校生という感じで、演劇、お化け屋敷、アトラクション等さらに完成度の高い出し物が多く、1クラスに絞るのは並大抵ではなく、こんなことなら部門毎のグランプリを出すべきであったかと思わせられるくらいに、審査は一筋縄ではいかなくて、意見の集約には長時間を要しましたが、結果として、聖祭史上初となる2年C組のアトラクション、最速コーヒーカップその名も「ねるねるねるね」がグランプリに選ばれました。4つのコーヒーカップの精巧にして頑丈な仕上がり具合、安全管理の行き届いた回転具合、そして何よりもそれをクラス全員、男女に拘わらず、分担しながら力を合わせ人力で回すという健気さと逞しさ、さらにはお客様への温かいおもてなし、すべてにおいて緻密にして巧妙、クラス全員一体感を持って成し遂げるという計算し尽くされた計画性には脱帽でした。かなりハイレベルな演劇やお化け屋敷もありましたが、このコーヒーカップには審査員の多くが努力点、独創性、完成度のすべての項目において満点をつけるほどでした。例年、演劇でグランプリを得るクラスが多かっただけに、ここに新風を巻き起こしたと言っても過言ではないかも知れません。それにしても、今年の出し物は全体的にレベルが高く、あるOBに言わせると「ハイクオリティ」であったとのこと、これまた今年の重点課題でもあります「アクティブ・ラーニングの更なる実践」の行事版として大成功であったかと思います。つまり、主体的に課題を発見し、多様な仲間達と激しい議論をしたり意見交換をしたりしながら協働して一つのものを作り上げるという意味において、文化祭ほど生徒が主体的に活動する行事はなく、総合芸術としてその教育効果は測り知れないものがあると長年の教員生活の中で実感しております。我が聖っ子達も見事にそれを成し遂げてくれたと微笑ましく思っております。

「ねるねるねるね」2ーCのコーヒーカップ

「ねるねるねるね」2ーCのコーヒーカップ

回し回して充実の笑顔

回し回して充実の笑顔

 

 

 

 

 

 

 2日目の一般公開終了後、後夜祭となりましたが、今年は、生徒の要望もあり、例年の高校生に加えて、中学3年生の希望者も居残り可として実施、第1部は体育館で例年通り、バンド演奏で盛り上がったところで、グランドに出て、キャンプファイアーとフォークダンス、それに花火大会を催しました。ファイアーの方は勢いよく燃え上がったものの、肝心のフォークダンスは、最近体育の授業でも実施していないことから、皆踊り方が分からない上に、男女とも恥ずかしさが先に立ち、司会が声張り上げて輪になって、と言うにも拘わらず、一向に輪が出来ず、火が消えかかる頃になって、漸くぐにゃぐにゃの輪が出来たところで、マイムマイムの曲がかかり、踊り出しましたが、もはや時間が迫っており、結局、マイムマイムとオクラホマミキサー1回限りで終わってしまいました。来年の課題として工夫が必要かと痛感致しました。それでも参加していた生徒それぞれに満足そうな表情で解散していったのは一歩前進かと感じました。最後に、秋の夜空を焦がすかのように大きな花火を十数発打ち上げて後夜祭も無事終了致しました。芭蕉の句ではありませんが、「おもしろうてやがてかなしき祭かな」と一人呟いてグランドを後にしました。

バンド演奏で盛り上がる後夜祭

バンド演奏で盛り上がる後夜祭

裏で支えた文化祭実行委員

裏で支えた文化祭実行委員

 

 

 

 

 

 「御輿に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を作る人」は、いつの世もどこでも、何か事を仕上げる際にはよく使われますが、今回の聖祭も、4月に発足した文化祭実行委員会の長期にわたる綿密な企画と立案、各団体の催し物の調整等を経て実行に移すプロセスにおいて、実行委員長の金丸君を中心にした主要メンバーが存分にリーダーシップを発揮すると共に、各委員それぞれにフォロワーシップをもって支えるという体制で見事に成功させてくれました。彼らもまたこの文化祭を作り上げていく中で、大勢の人を動かしながら、一つ事を成すことの難しさを体験し、大きく成長してくれたことと思います。明日からの学校生活、延いては今後の人生の糧になったことと確信しております。写真を掲載し、その労をねぎらいたいと思います。

 2日間で2,000名を超す一般の皆様にご来校頂きました。好天に恵まれたとはいえ、狭い校舎内での各種催し場所ではかなり暑く感じられたところもあったかと思います。この場を借りて厚く御礼申し上げますと共に、受験生並びに保護者の皆様には今後の学校説明会等にもお運び頂き、より深く本校をご理解頂ければ幸いです。

 文化祭はいわば異空間のイベントでありますが、明日は代休、明後日からまた日常に戻りますので、生徒諸君には一刻も早く頭の切り替えをして、日々の学習や部活動に専念して欲しいと思います。