第6回学校説明会(入試直前ワンポイント講座))終了

 温かくポカポカ陽気の中で迎えた2017(平成29)年ですが、あっという間に10日が経ってしまいました。皆様方にはお元気で良いお年をお迎えのことと拝察致しております。私事で恐縮ですが、暮れの12月20日(水)、故郷糸魚川に住む母親を亡くしてしまいました。88歳と10ヶ月、平均寿命からすれば天寿を全うしてくれたとは思いますが、人の子としては、いつまでも親に生きていて欲しいという願いは変わらず、暮れからお正月にかけては何と言うこともなくある種の喪失感、虚脱感にとらわれていたように思われます。しかも、母親の通夜当日(12月22日)は、報道等でもご存じのように、糸魚川市中はかってないほどの大火災に見舞われてしまい、近親者の中にも被災した人が出てしまったことから、てんやわんやの葬儀となってしまいました。ただ、私どもにとっては、葬祭に関する儀式全般は滞りなく終了して頂き、母の運の強さとその加護のお陰かと、多くの被災された方々に思いを馳せながらも、安堵させて頂いた次第です。学校は7日に始業式を行い、翌8日(日)に第6回の学校説明会を開催致しましたので、そのご報告も兼ねて新年1月第1報をお届け致します。

 昨年末のことになりますが、12月20日(火)、多摩センターにありますパルテノン多摩大ホールを借り切って、第25回合唱コンクールを開催致しました。その日の午前4時には母が息を引き取っていたわけですが、極力平静を装いながら、校長挨拶では、学校行事版アクティブ・ラーニングの象徴的行事としての合唱コンクールの教育的意義を強調し、期末考査後の10日間、クラス一丸となって取り組んできた練習成果を遺憾なく発揮して欲しいとし、最後に「パルテノン多摩の天井とどろかす歌声さやか聖の青春」という短歌を贈り激励致しました。中1から高2までの全校生徒と、ホール内立ち見が出るほどの大勢の保護者並びに一部一般の方々を前に、中学生の課題曲は「With You Smile」で、それに各クラスで選曲した自由曲の2曲を見事に歌い上げてくれました。外部審査員3名をお迎えして我々管理職3名を加えた6名の審査により、僅差ではありましたが、最優秀賞は3年2組の「ヒカリ」に決定、優秀賞は2年4組の「ふるさと」と1年2組の「この星に生まれて」となりました。高校の方は自由曲のみでありましたが、最優秀賞はA組の「俵積み唄」に決定、この歌は青森民謡をもとに作詞、作曲された歌で、全クラス中28名という最も少ない人数のクラスとは思えない迫力とハーモニー抜群の出来映えで、田舎の農作業に慣れ親しんできた私などは込み上げる涙を禁じ得ませんでした。歌の技量はもとより、聴衆の心に訴えかける情味のある歌に仕上げてくれました。お聞き頂いた方々にも、年末の気ぜわしさをしばし忘れさせてくれるような清らかな歌声が大ホール全体に響きわたる一時となりました。

 翌日21日(水)が第2学期の終業式、高校、中学の順に体育館での終業式となり、暖房のない寒い中でもありましたので、校長講話も手短にまとめました。1年の締め括りとして、自らのこの1年を振り返ることで、来年に繋げて欲しいと呼びかけながら、私自身の独断と偏見で今年の世相を振り返ってみると、国の内外を問わず予想外の出来事が多かったという視点から「パピプぺポ」でまとめてみました。「パ」は韓国のパク大統領の弾劾決議案の可決による大統領の職務停止の件、「ピ」は今まだ一世を風靡しているピコ太郎の大ブレイクの件、「プ」は語尾に付けますが「スマップ・トランプ・カープにプーチン」の件、「ぺ」は再びピコ太郎で「ペンパイナッポーアポ-ペン」、「ポ」は生徒の声では即「ポケモンゴー」でしたが、私としては「ポンド」にしてイギリスのEU離脱の件も意外な出来事であった、ということなどを上げて、予測不可能な時代に生きざるを得ないみんなも、正解のない時代、いかに主体性を失うことなく、多様な人々と協働して複雑な課題を解決しつつ生きていくか、真剣に考えて欲しいと投げかけました。

 12月25日(日)~28日(水)まで、高1生中心に一部高2生も加えた40名で、新潟県上越市の山あいにある雪だるま高原キューピットバレイスキー場を会場に、スキー教室に行ってきました。暮れのこの時期にしては、生憎積雪が少なく、思う存分縦横無尽に滑り抜けるには決して充分とは言えなかったようですが、参加した生徒諸君には明るく元気よく雪国の大自然を堪能しながら、スキー技術の向上を目指すと共に、仲間との共同生活を通じて、末永い友情関係の構築も出来たのではないかと推察しております。

 そして年明け、1月7日(土)に始業式を執り行いました。暦の並びが余り良くなくて、例年だと8日に行ってきた始業式ですが、10日(火)までは待ちきれなく一般的にはまだ松の内の3学期の幕開けと致しました。始業式の校長講話では、前述の母親の葬儀(通夜)の日と、糸魚川の大火災が重なってしまったことに触れながら、天災(人災含め)と人の死とは人の意のままにならないものであると共に、人生の不可思議さに思いを馳せて欲しい旨訴えました。合わせて、暮れの12月30日(金)に『置かれた場所で咲きなさい』の著書で一躍有名になったノートルダム清心女子大学の元学長渡辺和子先生が亡くなったことにも触れさせて頂きました。昭和11年の所謂2.26事件で父渡辺錠太郎、当時の陸軍教育総監が当時9歳であった彼女の目の前で暗殺されるという悲惨な経験ゆえか、その後キリスト者として活躍してこられた渡辺先生の上記著書『置かれた場所で咲きなさい』(Bloom where God has planted you)は、校長になってからの入学式の式辞の中で必ず紹介させて頂いてきただけに先生の死もまた大きな衝撃となりました。最後に、今年は酉年ということもあり、鶏にまつわる故事成語「寧ろ鶏口となるも牛後と成るなかれ」(鶏口牛後)「鶏群の一鶴」「木鶏」の3語について、本校並びに聖っ子の特性に絡めながら説明致しました。

 翌1月8日(日)には、実質的に今年度最後となる第6回学校説明会を開催致しました。当初の予想を大きく上回る約160組の小学6年生にご参加頂き、「入試直前ワンポイント講座」と銘打って実施致しました。今回のメインポイントは、入試科目(国語・算数・理科・社会の通常型コースと、適性型コース含む)について、各教科担当の方から本番入試の内容に限りなく近づけた説明が中心となることから、私の持ち時間は10分と短く、結果として「校長先生のお話をもう少し聞きたかったです。」という声を初参加の保護者の方から頂いてしまいましたが、本校教育の特色について概略説明させて頂きました。今回初めてお出で頂いた受験生並びにその保護者の方々も24組に上り、まだまだ最終的な受験校選びに迷っておられる人が多いことも知らされました。今回も各種説明については、いつのように多くの方々にご好評頂きましたが、算数のパワポの中に一部文字化けが出てしまったことについて「とても残念です。受験する側として毎回の説明会を必死の思いで聞きに来ています。資料にミスがあると家に持ち帰って見直したり、子どもに話す時にブレが生じるのではないかと不安になります。」という貴重なご意見を数名の方々より頂き、今後の説明会の参考にさせて頂くべく肝に銘じました。一方で、偶々廊下ですれ違った際に声掛けさせて頂いたお子さんの保護者の方から「校長先生に励ましの声を掛けて頂き、息子も大変喜んでいました。当日は力が出し切れるようがんばって欲しいと思います。合格を頂けるように。」という有り難いお言葉も頂き、皆様、藁にもすがる思いでお出で頂いていることを実感し、今後ともより一層きめ細かな対応をしていきたいという思いを強く致しました。2月1日(水)を本番として、いよいよ受験まであと21日を残すのみとなりましたが、これから数日厳しい寒波が襲来するという予報も出ておりますので、インフルエンザはもちろんのこと、お風邪など引かぬよう体調にはくれぐれもお気を付けて1日1日全力でがんばって頂きたいと陰ながらお祈りしております。20日(金)から願書の受付も始まります。本校は、中高一貫の共学の私立学校としては、少人数できめ細かく、本物から本質に迫る教育を心がけ、主体性・協働性を養いながら、一人ひとりの生徒諸君をまさに「掌中の珠」として6年間或いは3年間慈しみ育んで、知・徳・体バランスの取れた人間性を育成しております。多くの受験生の出願をお願いすると共に、見事合格の暁にはご入学を決意して頂くようお願い申し上げます。