第5回学校説明会(そっくり模試)終了

 師走も半ばとなり、街中の喧噪益々甚だしくなってきましたが、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと拝察致しております。ここ聖ヶ丘界隈の紅葉もほぼ終わりに近く、このところ毎日続く冬空に向かって、真っ直ぐに屹立する枯れ枝が目立つようになりました。朝夕の冷え込みが厳しくなればなるほど、校舎から臨む富士山の美しさは格別で、取り分け夕景に浮かぶ富士山には心癒やされております。学校では、期末考査も終わり、目下答案返却と12月20日(火)開催予定の合唱コンクールに向けての練習に余念のない今日この頃です。先週末(12/10)第5回の学校説明会を開催致しましたので、そのご報告も兼ねて12月第1報をお届け致します。

 少し遡りますが、11/26(土)、4限に高1、2年生対象の小論文講演会を開催致しました。今回は学研アソシエ小論文添削室の長尾真弓氏と同教育プランナーの菊池恵美氏にお出で頂き、去る9/24(土)に実施した小論文模試の添削結果を踏まえながら、極めて具体的かつ分かり易いご講演をして頂きました。最終目的は今後益々増えるであろう各種の大学入試における小論文対策にありますが、所謂アクティブ・ラーニング型授業展開の中では、日々の授業の中でも、記述式の問題解法や、発表学習等でも、必要となる思考力、判断力、表現力の育成に参考となる事柄も多く、生徒諸君には、自らの小論文を振り返りながら、どこに過不足があるのか真剣な眼差しで検証していた姿は印象的でした。

 次に、中学3年生の高校への進級条件としている卒業論文の締め切りが11月30日(水)となっており、107名の提出が無事なされました。原稿用紙にして10枚、4,000字という分量にまとめるものですが、広く社会に生起する様々な現象、事象に対して、この年齢独自の知識、教養、感性のもと、問題と感じた事柄を主体的に見出し、多様な文献(最近ではネット情報も多く含まれる)に当たると共に、必要に応じての各種アンケート調査を実施し、その結果を分析、考察して、自分なりの解決策を見出したり、問題提起をしたり、更に突っ込んで意見発表をするという過程の中で、自ずから思考力、判断力、表現力を培うものになっていくことを目指してのもので、全教員が一人で2~3人の生徒を担当し、ほぼ1年間をかけて仕上げていきます。提出された論文は、彼らがニュージーランド修学旅行に旅立つ2月中旬までに、私校長が全論文読破して、5編ほどの優秀作品を選ばねばならないという過酷な作業が待っております。「過酷」というのは表現の綾でして、この時期特有の若い知性と感性が捉えた日本のみならず全地球的な諸問題について、今までの学習で習得してきた知識・技能を活用し、長期間にわたり探究してきたことを、渾身の力を込めて、1字1字原稿用紙に紡いでいく子供達の姿を思い浮かべながら読み進めていく時間は何物にも替え難く、一人至福の時間を過ごしております。今週いっぱいで担当教員のコメントがつけられたあと、私の手元に届くことを楽しみにしております。

 12月2日(金)から第2学期の期末考査が始まり、6日(火)で終了致しました。高校3年生にとってはいわば卒業認定試験であると共に、中学3年生にとっても、高校への進学条件をクリアすべき大事な試験でした。今まさに答案返却期間となっておりますが、全員無事それらの条件をクリアしてくれることを祈っております。

 そして、12月10日(土)、第5回の学校説明会でしたが、今回は中学受験を目指して頑張っている小学6年生のみを対象にして、「入試そっくり模試」と銘打っての説明会、入試形態毎に、4教科型、2教科型、適性型と会場を分けての実施、国語・算数の各教科と適性型は各20分で問題を解いてもらい、終了後、各担当教科の教員からそれぞれ設問の意図、解法等、15分ずつ分かり易く解説を致しました。4教科型の理科・社会は共通で25分間で問題を解き、解説は20分とやや長めに設定し、今後の勉強の参考とさせて頂きました。総勢200名近くの受験生に参加して頂き、全体会冒頭での1分間の私の挨拶で思わず真ん前に座っている受験生を見て「見るからにいともかわゆき受験生幸多かれとひたすら祈る」と口ずさんでしまいました。古来和歌(短歌)には言葉の霊魂が宿る(言霊思想)と言われていることから、短歌で激励させて頂いたところ、思わず会場から拍手を頂いてしまいかえって恐縮した次第です。終了後のアンケートの中に「子供達のために短歌を詠んで頂きありがとうございました。校長先生はじめ先生方の雰囲気がとても良く、こんな学校で中高生時代を過ごせたら幸せだなと思いました。ご縁があれば宜しくお願いします。」と書いて頂いた女子児童の保護者の方がいらっしゃり、二重に恐悦至極でした。

 子供達がそれぞれ本番同様の受験会場に向かった後は、会場でお待ち頂いている保護者の方々を対象に、私の方から「聖ヶ丘の教育について」25分間、その後各教科担当から、15~20分ほど、問題の傾向と対策について解説させて頂き、その中間に石飛教頭兼入試広報部長から「2017年入試」についての詳細を説明させて頂きました。4教科全て受験されたお子さんには最終終了時刻が17時頃になってしまいましたが、各会場で、真剣に問題に取り組むと共に、終了後各教員からの解説を一生懸命聞いている姿を見るに、なんともいとおしくもありいたいけな感じを抱かざるを得ませんでした。この子達全員を受け入れてしっかり面倒を見させて頂きたいという衝動に駆られたのは、私のみならず本校教員の誰もがそう思ったに相違ありません。12の春を泣かすようなことにならないよう君達全てに「幸多かれとひたすら祈って」おりました。

 終了後頂いたアンケートの自由記述欄には毎回概ね好評を頂き有り難く存じておりますが、今回も「とても先生の説明が分かり易かったです。少人数だからこそ実現できる手厚さであったり、先生と生徒との親密感。是非とも子どもには、このような素晴らしい環境で勉学や部活動に取り組み、充実した学校生活を送ってほしいと思いました。」とか「少人数のメリットを活かした、きめ細かな教育、それを受講できる生徒が教員を目指すことが多いのは自然の流れだと思います。是非この学校で不易な建学の精神、流行の教育的手法を取り入れ、充実した聖ヶ丘中学高等学校の教育を我が娘にも受けさせたいと思います。きめ細かく明確な入試ポイントをお知らせ頂きましたので、受験までに充分演習させ、入試をクリアして入学式当日を迎えられたら幸いです。ありがとうございました。何とぞ宜しくお願い致します。」などという大変有り難いコメントがたくさんある中で、「スクリーンが暗め?細かめ?でちょっと見づらかったので・・・大きめ、明るめだと助かります。」とか「問題解説の際にモニターが全く見えなかったです。モニターが3台設置されていますが、細かな文字、数字までは分かりづらかったです。」「折角のスライドが見えにくくて残念でした。会場を暗めにしてはどうでしょう。」というご意見もたくさんあり、パワーポイント映像の際の画面の鮮明さが欠けていた点を反省させて頂くと共に、当日の外気温の低さもあり、会場内が「少し寒かったです。」という控えめなコメントから「会場がとても寒かった」「会場が寒い」「講堂が寒すぎた」等という手厳しいコメントもたくさん寄せられ、もっと暖房温度を上げておくべきであったと猛省、中には「暖房がついているとありがたいと思いました」というコメントもあり、暖房のついていることすら認識されていない方もおられ、申し訳のない事を致しました。2/1からの本番では今よりもっと寒い季節になりますので、このような事のないように入念に各方面に注意喚起していきたいと思います。ありのままにお伝え頂いたことに感謝申し上げております。

 説明会全体の評価点としては、興味深いが86%と断トツに高く、学校生活、雰囲気、教育の特徴、学習、入学試験、生徒・教職員の態度等の各項目でも、興味深い・良い、が圧倒的に高く、また、本校に期待するものとして、1)面倒見の良さ、2)学力の向上、3)進路実績、4)明るい雰囲気、となっており、内部で教育している者にとっても常に肝に銘じておかねばと考えております。これで大きな説明会は年内終了、21日(水)、24日(土)にミニ説明会を実施して、来年1月8日(日)、今年度入試の最後となりますが、第6回学校説明会を「入試ワンポイント講座(ここだけはやっておこう!)」と銘打って実施致します。今後の勉強の進み具合など勘案されて、最終調整というおつもりでお出で頂ければと思います。

 最後になりますが、12月20日(火)12時から、多摩センターにあるパルテノン多摩を会場に、中学1年生から高校2年生までの各クラス対抗の合唱コンクールを開催致します。前述のように、期末考査終了後から本格的な練習に入り、短期集中型でクラス一丸となって取り組み、その成果を発表致します。合唱コンクールこそ学校行事版アクティブ・ラーニングの典型的な催しと考えております。一人ひとりが主体的に大きな声を出すと共に、多様なパートごとに協働して素晴らしい歌声・ハーモニーに仕上げていく、その過程こそ多感な思春期を過ごす若者の成長にかけがえのない行事だと確信しております。受験生の皆さんにも或いはちょっとした息抜きになるかも知れませんので、ご家族の皆様お誘い合わせの上お出かけ頂き、青春の澄みきった歌声に耳傾けて頂ければ幸いです。気持ちよく爽やかに新年をお迎え頂けますようお祈り申し上げております。