第2回大学模擬体験授業、第4回国公立大学説明会等終了 (2015,10,13)

朝もやにかすむ今朝の富士山

朝もやにかすむ今朝の富士山

 先週は、朝夕こそやや寒いくらいの陽気でしたが、毎日爽やかな秋晴れが続き、朝日に照らされた花水木の紅葉がキラキラと輝いておりました。すっきりした空気の清澄感からか早くも本校校舎から富士山の勇姿も毎日のように眺められ、秋の深まりを感じさせられております。折しも連休中の10月11日(日)、昨年より5日早い富士山の初冠雪が観測されましたので、本校からの今朝の富士山を撮影してみました。朝靄の彼方、うっすらと8合目当たりまで雪に覆われた富士山がその姿を見せてくれましたが、これからの季節、朝の冷え込みと共に、くっきり鮮やかな富士が毎日のように眺められることを楽しみにしております。

 先週も各種催し事がありましたが、1学期6月に第1回を実施した大学模擬授業の2回目を去る10月6日(火)、第4回国公立大学説明会を10月10日(土)に開催致しましたので、そのご報告を兼ねて10月第2報をお届け致します。

  10月6日(火)、5・6時限目、高校1、2年生全員を対象に、9つの学問分野8大学の先生方にお出で頂き、模擬授業を実施して頂きました。去る6月26日(金)にも9分野9大学の先生方にお出で頂きましたが、その模様は、6/29付け校長日記でご紹介したとおりです。この催しは、今まさに大学で行われている最先端の学問・科学の一端をご紹介頂くことで、各分野への知的好奇心を高め、自らの進路を考える指針とすると共に、高1はキャリアスコープ、高2は夢ナビプログラムを経て、オープンキャンパス訪問に繋げていくこと等を目的に実施しているもので、この授業体験を通じて、高1はまず文系・理系選択の参考に、高2はより具体的な科目選択の参考にしている生徒が多く、彼らの進路計画や将来設計に大きな影響を与える機会となっております。

 今回は、前日に今年のノーベル医学生理学賞を受賞した大村智先生の母校でもある山梨大学から秦康範工学部准教授、宮川雅至生命環境学部助教のお二人の先生、早稲田大学基幹理工学部の齊藤潔教授、東京薬科大学生命科学部の伊東史子准教授、成蹊大学理工学部の世木寛之准教授、日本大学法学部の福田充教授、青山学院大学地球社会共生学部菊池尚代准教授、産業能率大学経営学部寺嶋正尚准教授、そして本学グローバルスタディーズ学部堂下恵准教授の9名の先生方による授業でしたが、順に、「地域防災」「数学」「エネルギー」「生命」「情報」「法律」「メディア言語」「マーケティング」「国際」の各分野に渡り、興味深い授業を展開して頂きました。私も全教室回らせて頂きましたが、伊東先生の「血管の生物学(個体の発生からがん転移まで)」では、最新の不幸なニュースでもある川島なお美さんや北斗晶さんの実例を援用しながらがんの恐ろしさを淡々と語っておられたのは印象的でした。産能大の寺嶋先生の授業はまさにアクティブ・ラーニングの手法で、「常連客を『おもてなし』するマーケティングとは」と題して、生徒にどんどん問いかけ、考えさせながら発言させるという展開で、大学でももはやアクティブ・ラーニングは不可避の教育手法であることを実感させて頂きました。生徒諸君も、各教室ともそれぞれ興味・関心のある分野を選択し出席しているだけに、5、6限という時間帯にも関わらず、居眠りすることもなく熱心に耳傾けておりました。毎年、この体験授業を聞いた後、具体的な進路選択に入るという生徒も多いことから、今回も大いに刺激を受け真剣に検討するようになることを期待しております。

がんの恐ろしさを語る東京薬科大 伊東先生

がんの恐ろしさを語る東京薬科大 伊東先生

アクティブ・ラーニング手法の産能大 寺嶋先生

アクティブ・ラーニング手法の産能大 寺嶋先生

 

 

 

 

 

静岡大の魅力を語る寺下先生

静岡大の魅力を語る寺下先生

 10月10日(土)は、全学年一斉の保護者会でしたが、その日の13:10から「第4回国公立大学説明会」を実施致しました。この企画は高校2年生を主たる対象にして、当初「普段は触れるチャンスが少ない地方の国公立大学の情報を得て理解を深めると共に今後の進路選択に活かす」ことを目的に始めたもので、1、2回目は地方4大学のみでしたが、昨年は首都圏も含め7大学にお出で頂きました。今年は、山形大学(門馬甲兒教授)、静岡大学(寺下榮教授)の両先生に加え、北海道大学(21期山下玲奈さん)、秋田大学(22期松岡昇平さん)そして首都大学東京(22期川尻翔太さん)からは本校のOB・OGの協力を得て都合5大学の大学概要とその特色、地方大学の魅力等について語って頂きました。山形大の門馬先生には毎年お越し頂き、軽妙洒脱な語り口で有益なお話をして頂いており感謝申し上げております。本校OB・OGの3人も在学している大学の魅力をいかに在校生に理解してもらうかという熱い思いから、所定の時間を大幅にオーバーしてしまい、初めてお出で頂いた静岡大学の寺下先生には申し訳のない事でしたが、終了後の門馬先生の3人への温かく思いやりに溢れたお話を頂き、寺下先生にもご海容頂けた事と拝察致しております。高校2年生全員と高1高3の希望者、更にはご希望の保護者の皆様にもお聞き頂きましたが、今後の進路を考える上で、大いに参考になった事と推察致しております。

軽妙な語り口の山形大 門馬先生

軽妙な語り口の山形大 門馬先生

 奇しくも、今年のノーベル医学生理学賞の大村智先生は山梨大学、物理学賞の梶田隆章先生は埼玉大学のご出身(いずれも学部まで)ということもあり、去る10月9日(金)19:30からのNHK特報首都圏でも「地方大学からノーベル賞へ」という特集が報道されるくらいです(山梨大、埼玉大が果たして地方大学か?という問題はありますが)ので、来春の大学入試ではこの2大学を中心に地方大学の人気が高まるような気も致します。地方国立大学の場合、大学入試センター試験を少し頑張れば合格率が高くなることと、本校のように少人数できめの細かい指導がなされ、研究環境も整っていること、更に地方ならではのステータスや、下宿代等を含めた物価の安さもあり、恵まれた環境にある大学が多い事、そして何よりも大学には親元を離れて自主自立、という気概を持って是非挑戦して欲しいと期待しております。

 同日は前述のように、各学年の保護者会が催され、今回は中1、中3、高3の各学年の全体保護者会でご挨拶をさせて頂きました。中1は、5年後、恐らく変更されるであろう大学入試を視野に、学力の3要素、①基礎的な知識・技能の修得、②それらを活用した思考力・判断力・表現力の育成、③主体性・多様性・協働性の涵養を目指した教育を、例えばアクティブ・ラーニング的な教育手法で展開していること、それは必ずしも授業のみならず、文化祭で英語劇に挑戦したように、学校行事でも積極的に取り組む姿勢を養っていくのでご協力をよろしくと説明させて頂きました。中3は、来年2月、ニュージーランドの修学旅行を控え、担当業者からの詳細説明もあることから、生徒と保護者同席での説明会となり、慣れない私どもにはやや緊張致しましたが、来るべき内部進学を控えての進学条件の確認をさせて頂くと共に、この学年はややおとなしい感もあるので、先日の朝礼でも訴えた「NO SHY SCHOOL」を意識して、授業中のみならず部活動や学校行事等で積極的に発言したり行動したりして欲しいと訴えました。そして高3ですが、この日8回目のご挨拶ということもあり、高3の保護者の皆様の前ではホッとして、ついまた長話をしてしまいました。ともあれ、センター試験まであと97日となり、受験勉強もいよいよ佳境、現役生のこの時期の学力の伸びがいかに大きいかを過去の卒業生の例を出しながら説明をさせていただきました。最後まで「焦らず、諦めず、かと言って侮らず」第1志望に果敢に挑んで欲しいとする一方で、同時並行的に展開していた地方国立大学の事にも触れて、入試センター試験の結果次第では、是非地方国立大学も視野に入れて検討して欲しいと結びました。高3の学年保護者会(全体会)は今日で最後とのことで、各クラスとも大勢の方々にご出席頂いたこと、これまでの6年間、学校運営全般にわたり、多大なご支援・ご協力を頂いたことに感謝申し上げながら降壇致しました。