第3回学校説明会終了、高2生修学旅行へ (2015,10,26)

諏訪下交差点のパンパスグラス

諏訪下交差点のパンパスグラス

 このところの朝夕の冷え込みで、多摩ニュータウン通りの公孫樹並木も黄色く色づき、朝日に照らされキラキラと美しく輝くようになりました。永山駅近くの交差点2カ所にあるパンパスグラスの穂も今が一番大きくかつ美しく見えます。パンパスグラスについては、2014,9,27付け有岡教頭による「生き物ウオッチング」でも紹介しておりますが、ブラジル、アルゼンチン、チリなど南米大陸原産の巨大ススキで、「パンパ」とはアルゼンチン中央部に広がる大草原のことで、パンパの草、そのものずばりの命名とのことです。明治時代に日本に持ち込まれ、結構寒さに強く、一度植えると年々株が大きくなるとか、毎日そこを通過している私などは、この時期ふわふわした白い穂先が秋風に揺れている姿から、遠く南米の大草原を想像するのが楽しみになっております。

 前回10月13日(火)の校長日記以来、相変わらず各種のイベントがあり、慌ただしい日々を過ごして来ましたが、一昨日24日(土)今年度第3回となる大きな学校説明会を開催致しましたので、そのご報告も兼ねて10月第3報をお届け致します。

 まず、校長自身も研修が必要ということで、10月16日(金)13:30~16:45まで、アルカディア市ヶ谷で開催された「私学経営研究会」(東京私立中学高等学校協会主催)に出席致しました。講演Ⅰは、『都内私学の現状とこれからの私学教育』と題して、安田教育研究所の安田理代表より、以下の6点にわたり詳細なデーターを提示して頂きながらのお話でした。全体的には、1)中学募集・高校募集の関係、2)受験での保護者の関心事の違い、3)これからの理事長、これからの校長、4)安田から見た学校の違い、5)広報の課題、6)「学校」を考える、という構成でしたが、それぞれに興味深く刺激的な内容で、永く国公立の学校に勤めていた者としては目から鱗のお話も多々ありました。中でも、最近の中学受験の保護者の3大関心事は、・志望校が、生徒の巣立つ「グローバル社会」を意識した教育を行っているか、・志望校は2020年からの大学入試改革に対応しているか、・志望校の授業は「アクティブ・ラーニング」になっているか、とのことで、本校の説明会でもその点については、表現こそ若干異なるものの、それらを意識した教育を実践していることに触れておりますので、ほっと胸撫で下ろしました。ただ、高校受験の保護者の場合には、それらはさしたる関心事ではなく、・内申点と志望校の出願基準や学費の問題、に加え、やはりなんと言っても・志望校には「大学受験力の向上」を期待しているとのこと、来年度本校でも30名の高入生を募集しているだけに、出口保証は重要であることを再確認致しました。

 2)の理事長・校長に関する話は、生々しい事例と共に、お言葉厳しく説明され、私など新米校長としても襟を正すべき内容もあり、大いに参考になりました。これからの学校運営に活かしていければと思った次第です。

 講演Ⅱは、東京私学研究所の清水哲雄所長からの『加速する教育界の変化』と題するもので、平成27年9月15日、高大接続システム改革会議から出された「中間まとめ」とその補足資料一式、さらに平成27年8月5日に教育課程企画特別部会から出された新学習指導要領の策定に向けた各教科の「改訂の方向性として考えられる構成(案)」一式、という膨大な資料が配付され、昨年から今年にかけての文科省、或いは中教審からの各種諮問や答申に触れながら、国の施策として、明治以来とも言われる一大教育改革を視野に入れながらも、私学として建学の精神を堅持し、その独自性を見失うことのないようにという示唆に富んだ内容豊富なご講演でした。本校でも、文科省からの諮問や答申が出る度にその内容を全教職員と共有し、その問題点や方向性を確認してきているだけに、改めて不易流行の教育の重要性を確信させて頂きました。久しぶりの研修で頭脳も活性化したように感じられました。

私学振興拡充大会での決議表明

私学振興拡充大会での決議表明

 翌17日(土)、学校では土曜ミニ説明会があり、今回も17組25名という多くの受験生とその保護者の皆様にお集まり頂きましたが、私の方は、事務長、総務部長、更には後援会本部役員を始めとする15名に上る保護者の皆さんと、明星中学高等学校講堂(児玉九十記念講堂)で開催された「私学振興拡充第11支部大会」に出席致しました。この大会は、当日ご列席の東京都議会議員(各会派13名出席)の皆さんに、平成28年度「私学振興予算等」に関する要望を訴え、その実現にご尽力願おうという趣旨で毎年この時期に開かれているものです。各支部単位での集会を経て、来る11/24(火)共立講堂での都内12支部すべての私学(小・中・高等学校)の関係者の集う大会へと繋がっていきます。要望内容は全8項目にわたりますが、大会スローガンとしては、「・私立学校教育の充実のため、経常費補助の更なる拡充、・父母負担教育費の公私間較差の解消、・高等学校の就学支援の制度拡充及び中学校・小学校の就学支援の制度新設」となっております。11支部全私学から総勢816名の出席があり、盛会裡に終了致しました。

 一方、土曜ミニ説明会の方は、有岡・石飛両教頭並びに入試広報部員により、例によって和気藹々の雰囲気のもと開催されました。ご出席の方からは「本日は有難うございました。実際に足を運んでみないと分からないことが多いので、本日は学ばせて頂く気持ちで参加致しました。本日お聞きした内容を持ち帰り子どもに伝えます。」とか「個、主体性に重きを置く方針の学校が多い中、協調性からの主体性という方針に共感致しました。ご説明が心から(本音)のお言葉で、心地よく聴かせて頂きました。」「先生方が本質を学ぶということをとても大切にしていらっしゃるのが分かりました。見学中にすれ違う高校生がきちんと挨拶して下さるのがとても気持ち良かったです。」という保護者のお声と共に、「バスケットボールや水泳部があったので、自分もこの学校に入ったらこの部活に入りたいです。今日は有難うございました。」とか「生物の話など聞いて、この学校に入って実験をやってみたくなりました。」「とても楽しかったです。この学校に行きたい(来たい?)と思いました。」等とコメントしてくれた受験生までおられ、是非合格して頂きたいものと嬉しく思いました。陰ながらご健闘をお祈りしております。

土曜サポート講座の一コマ

土曜サポート講座の一コマ

 同じ17日(土)には中間考査前第2回目の土曜サポート講座が開かれました。これは、定期考査2週間前の土曜日から開催するもので、中学・高校生のために、予め登録されているOB・OG(大学生中心で総勢44名)が態々出校して指導してくれる催しで、2009年試行、2010年から本格実施、今年で6年目となります。後輩思いのOB・OGが率先して来校し、指導に当たってくれる催しで、本校の良き伝統として今後も継続されていくものと確信しております。既に10月10日(土)に第1回が終了し、この日が2回目、在校生の一部ではありますが、遅くまで熱心に質問したり、試験の傾向と対策を聞き出したり、中には進路に関する情報を聞いたりして有意義な一時を過ごしたようです。20日(火)~23日(金)までの中間考査ではその成果が発揮されたことと推察しております。

 試験最終日の23日(金)の2限目、中学2年生のイングリッシュキャンプに向けてのガイダンス(所謂結団式)を講堂で開催、28日(水)~30日(金)の2泊3日、朝から晩まで英語漬けの毎日を送るであろうことから、期待と不安に駆られているかと思いきや、中2生らしく大方は明るく和やかな雰囲気で少し安心致しました。今年度からの学校行事改革の象徴的な企画ですので、冒頭私からも挨拶をし、宿泊会場となるホテル内は「NO SHY ZONE」であると認識し、「Don’t be shy!」で過ごすように、またこの期間が「JOY&FUN」となるように祈っていると激励致しました。

 同じ2限目、中学1年生のクラスでは、12月22日(火)に実施予定の合唱コンクールに向けての事前学習、「合唱コンクールのダイヤモンド・ランキング」を各クラス、グループ学習の形で行いました。この授業は、石飛教頭の発案で、その主たる目標は、「合唱コンクールで大切なものランキング」をグループ毎にまず話し合い、それを集約する形でクラス全体のランキングを共有し、各自がクラスの一員であることに自覚を持ち、互いに尊重し協力し合って集団を向上させる、ということで、12月の期末考査以降本格的に始まる合唱コンクールの練習の動機付けを図る試みでした。私も全クラス覗いて回りましたが、A練習量から始まり、B団結力・C責任感・D思い出・E努力・F一生懸命・G学級の結果・H感動・I個人の結果・J友情、という各項目を「大切さランキング表」に埋め込んでいくプロセスでの話し合いは白熱し、階下でまだ試験中であった高2、3生にはその声の響きがやや気になるくらいであったとか、しかしこの経験がより良い合唱コンクールへと昇華していくであろうことと確信致しました。

各クラスとも「団結力」がトップでした

各クラスとも「団結力」がトップでした

 

 

 

 

 

 

 

更に翌24日(土)の4限目、高校2年生の修学旅行(26~30)に向けてのガイダンスがあり、これまた、学年全体のクラスを解体して、自ら主体的に選択したコースにグループ毎、3方面に出かける最初の学年ということで、本校の教育目標でもある「自律と協働」を常に意識して、本校生としての自覚と誇りを持って、4泊5日実り多い修学旅行として欲しいと訴えました。こちらは、「太古の森」というテーマで鹿児島県の屋久島方面に38名、「神々の集う場所」というテーマで島根県の出雲を中心とした方面に36名、「平和への切なる願い」というテーマで広島方面に41名と分散して出かけます。そして、4日目、29日の夕方、3方面から博多に集結し115名合流、その夜、各コースの報告会をすることになっております。そして、最終日には全員揃って太宰府天満宮を参拝、来年の合格祈願をするというちょっと小粋な落ちまでついております。この旅行もまた所期の目的を達成し、無事終了することを祈っております。

 この日は、3限目に高1生対象の進路ガイダンス、4限には高3生対象の進路ガイダンスと、進路関係のイベントが続きました。高1生には、2学期末提出締め切りの、来年度、文科系、理科系いずれを選択するかのガイダンスで、既に10月3日(土)に植竹教務部長から説明されていたことの補足的説明として、芦村進路指導部長から大学入試を視野に入れながら、「進路を考えるとは」自分で、自分のために、自分の事として考える、ということを強調しておりました。4限の高3生のガイダンスは、いよいよセンター試験まであと84日となっていることもあり、私大を含めた併願校の検討、受験カレンダーの作成法、調査書発行願いの件、さらには出願上の諸注意等に至るまで、微に入り細を穿つ説明でした。残り少ない日々を悔いなく過ごしていくよう願うばかりです。

 そして、14:00~16:40、2016年入試の募集要項の説明や、入試作成担当者による各教科の出題傾向とその対策などの説明を主たる目的にした第3回学校説明会を開催致しました。好天に恵まれ、日中ポカポカと暖かく、日射しもやわらかくお出で頂くには最高の陽気の中、中学受験希望の方173組320名、高校受験希望の方35組51名という多くの皆様にご出席頂きました。会場を二つに分け、中学の方は講堂、高校の方は、101教室で開催、私からは、教育の不易流行に関連してどんなに時代が変わろうと変えてはいけないもの、つまり「不易なるもの」としての田村学園の建学の精神、本校の教育目標等に触れる一方、時代の流れ、社会の要請により変化していくべき「流行なるもの」として、3つの柱をまずご紹介し、本年度の重点課題としてのアクティブ・ラーニングの更なる充実と、英語教育の充実・深化、更には学校行事改革元年としての、中2でのイングリッシュ・キャンプの導入、中3ニュージーランド修学旅行直前2日間のエンパワーメント・プログラム、そして高2の3方面への修学旅行の目的・ねらい、教育効果等についてご説明致しました。高校の方は、最後の挨拶となりましたが、それに加えて出口保証(3年後の大学進学先等)の説明をしてご理解頂きました。

 私の説明のあと、出題5教科に加えて適性型も含めた入試担当者より、「入試は学校の顔」という前提で、出題意図とポイント説明、その対策等について説明致しました。高校の方も、3教科の入試担当者より、かなり実際の入試傾向を踏まえたヒントになり得る説明を致しました。来年度30名を募集していることから、より一層多くの方の受験を期待している次第です。アフタヌーン、イーブニング、ザ・スクール更には土曜ミニ説明会と大小様々な説明会をしておりますが、大きな説明会としては第3回目、今後継続して、11、12、1月と開催致しますので、それぞれの特徴に合わせて是非またお出で頂きたいと思います。今回も頂いたアンケートでは、「入試問題に関する具体的な話が聞けて良かったです。各教科の先生方の問題作りに対する熱意や、その問題を通して中学での教育を進めていく考えが伝わりやすかったです。午後入試が2科目しかないのが少し残念です。」とか「入試問題について、具体的に傾向と対策をお話し頂き、これからの学習の指針になりました。」「各教科の入試傾向のお話の中で、聖ヶ丘の教育の姿勢がよく分かりました。とても良かったです。」「短時間で分かりやすい説明と思いました。学校の考えがよく理解出来ました。」など、今回の説明会の目的に関するお声が多数寄せられると共に、本校教育の本質にまでご理解を深めて頂いたことを有り難く思いました。ただ今回は、入試問題の傾向と対策に重きを置いたことから、中高6年間のカリキュラムや学校生活全体についての説明が少なくなってしまい、「カリキュラムや学校生活についてもうちょっと詳しく知りたい。」「多摩大学の附属としての特徴など(大学への進学率、優遇、連携等)を教えて頂きたかったです。」「これを機会に今後の説明会等に参加させて頂きたいともいます。」などというお声もあり、入試問題に特化しない説明も、特に今回初めてお出で頂いた方には必要であると感じましたので、今後の土曜ミニ説明会やアフタヌーン説明会(次回11/24開催予定)等(いずれも事前連絡の要あり)にお出で頂ければと思います。複数回お出で頂いている方からは、「大変興味深い内容でした。是非受験させて頂きたいと思います。」とか「とても分かりやすい説明会でした。是非入学を希望したいです。」というお声の一方で、「学校の雰囲気は良いと思いますが、進学実績が正直今ひとつですね。良い雰囲気は残しつつ、学習指導の現在の問題点を明らかにして手を打って欲しいと思います。」「考えさせる授業は大変良いと思いました。国公立への進学が増えても良いかと思います。」という有り難いご指摘も頂き、今まさに改革途中にある教育手法の継続の必要性を感じさせて頂きました。生徒や教職員の対応についても、「先生方も生徒の皆さんも、礼儀正しく、また明るくて素敵な学校だと改めて感じました。」「説明会までの会場に来る途中で生徒さんにお会いしましたが、積極的に『こんにちは。』と挨拶をしてくれてとても礼儀正しいと思いました。」という初めての方のお声や「先生のお話で笑顔がこぼれます。子どもが聖ヶ丘の環境で生活できたら、心も体も健やかになり、学力も向上するのだろうなと思いました。あと4ヶ月、子どもと頑張ろうと改めて思いました。」という2回目の方のお声などは教師冥利に尽きます。是非とも合格して頂き、共に学び成長して行けたらと願うばかりです。

 一方、例年になく多く30名の募集をしている高校受験の方々からも、「入試問題の出題傾向を具体的に知り、理解することが出来ました。是非こちらでお世話になりたいと考えておりますので、このポイントを生かし学習に取り組んで参りたいと思います。」「受験科目一つ一つに丁寧な説明をして頂き大変参考になりました。明るい雰囲気も分かって良かったです。」という保護者の方からのお声と共に、さすが中3生でしょうか、「受験への対策を細かく教えてもらって良かったと思った。本校の教育理念の主体性というところが興味深かった。」という受験生一人で初めて来てくれた生徒の声も嬉しい限りでした。他にも中学受験の方々と同じようなご意見が多数寄せられ、複数回お出で頂いた10名の方々の他は皆さん初めての方でしたので、本校をより深く知って頂く良い機会になったことと思い、感謝しております。

 昨日25日(日)には、好天に恵まれたものの都市特有の冷たいビル風に見舞われる中、中1の第4回社会科見学実習を実施致しました。今回は「江戸東京博物館と下町(江戸・東京の形成と変容)」をテーマに、江戸東京博物館見学をメインとし、赤穂浪士で有名な回向院、吉良邸跡、泉岳寺などを見学し、忠臣蔵の歴史に思いを馳せると共に、隅田川クルーズよろしく水上バスに乗船し、隅田川に架かる永代橋、勝鬨橋、更には東京スカイツリーなど、隅田川からの街並みを観察、東京景色を満喫しながら浜離宮恩賜庭園に至るコースを一日で辿ってきました。今回は24名の少人数ではありましたが、金曜日までの中間考査の疲れも感じさせず、熱心に見学、調査、探究にいそしんでいたとのことでした。

回向院にて

回向院にて

水上バスからビル群望む

水上バスからビル群望む