高2修学旅行、中2イングリッシュ・キャンプ無事終了 (2015,11,2)

 昨日の暖かさとは打って変わって、今朝は冷たい雨に見舞われて、生憎の週のスタートとなり、街路樹の紅葉が早くも無残に散り萎れている光景に、一抹の寂しさを感じながら出勤致しました。ただ、先週いっぱいは好天に恵まれ、高2の3方面への修学旅行、中2の富士吉田でのイングリッシュ・キャンプ、更には、10月30日(金)に実施した中1、3、高1の校外学習等、それぞれに所期の目的を達成し、無事終了致しました。そのご報告を兼ねて、11月第1報をお届け致します。

 

 前回の校長日記でもご紹介の通り、高校2年生の修学旅行は、10/26(月)~10/30(金)の4泊5日、クラスを解体して、屋久島方面、出雲方面、広島方面という3コースから、まず自分自身、興味関心のあるコースを主体的に選択し、それぞれのコースに集まった仲間同士グループを編成し、多様なものの考え方や意見の異なる者同士、かなり長期間にわたり議論を重ねながら協働して作成したより具体的なコースを、現地に出向き実地踏査をしたり、土地の方々との交流をしたり、いわゆる本物を見て聞いて触れることにより、それぞれのテーマに即した知識、見聞を広め、終了後、それをまとめ、互いに発表し合うことでより確かなものに定着させるという、未だかつてない目的のもと実施致しました。各方面とも全日程好天に恵まれて、それぞれ意図した目的を達成して無事終了致しました。

 まず、屋久島方面では、男子25名、女子13名の参加で、総合テーマは「太古の森」というものでしたが、初日、まず鹿児島空港から知覧の特攻平和記念館を訪れ、講話を聞くと共に、展示資料を見学し、「特攻」に対する考察を深め、戦争と平和について深く考える機会を持ちました。その後、鹿児島港からジェットフォイルで一気に屋久島入り、28日(水)まで、世界自然遺産に登録されている屋久島の原生自然、人の手が加わりながらも維持されてきた豊かな自然、自然と共に生き様々な文化を育んできた人々の暮らし、この3つが相互に関係しながら一つの島に共存している屋久島の「環境文化」に関する考察を深め、人と自然の共生を考えてきました。28日夕方鹿児島に戻り、29日は1日中班別行動で、鹿児島の自然・歴史・文化等についての考察を深めながら、最終宿泊地福岡に移動、クラス仲間と合流を果たしました。「神々の集う場所」をテーマとした出雲・山口方面へは、男子17名、女子19名の参加でしたが、初日羽田から米子きたろう空港に飛び、いきなり半日のグループ行動、班ごとに企画立案した様々な場所に出向き、夕方宿泊先である玉井別館に集合、2日目は全員同一行動で、出雲大社、荒神谷遺跡、日御碕灯台などを訪れ、日本古代の信仰、文化の特色等についての考察を深めました。3日目、石見銀山までは同一行動でしたが、その後NHK大河ドラマ「花燃ゆ」で盛り上がっている萩に移動し班別行動、29日、萩から秋芳洞に移動、下関で解散となり、班毎のコースに則り見聞を広めながら博多に集結、クラスの仲間達と再会しました。そして「平和への切なる願い」をテーマとした尾道・広島方面へは、男子26名、女子15名と一番多い参加者数となりましたが、こちらは新幹線で福山まで行き、しまなみ海道をサイクリングで班別行動、瀬戸内海の歴史や文化について見聞を深めるという目的で、初日からかなりハードな行程となりました。2日目は尾道を自主行動したあと、大久野島に渡り、戦中の毒ガス工場の跡地をガイドさんの案内で見学、3日目の広島班別行動と合わせ、太平洋戦争での人々の様子や被害の状況をつぶさに見学し、悲惨な戦争を振り返りながら平和の有り難さを噛みしめる旅となりました。29日は広島から班別行動をしながら博多に夕方集結するという全くの自主的な活動を通して、広島周辺の歴史や文化についても学びを深めて来ました。こうして3方面から、博多に集合し、各クラス漸く一緒になり、ホッとしたのか、まるで旧知に再会するが如くの賑わいでした。その夜、各方面の修学旅行委員によって、3コースの特色や印象深かったことなどについての報告があり、自分の行けなかった各地の様子を知ることができ、有意義な時間を共有致しました。この報告が、2学期末までにまとめられ、現高1生も含めての報告会が開催されることになっており、同行できなかった私なども楽しみにしております。

 そして、10/30(金)最終日、クラス毎全員でバスに乗車、太宰府天満宮参拝、来年に迫った大学受験に向けての合格祈願をしたあと、博多はねや総本家にて明太子作りに挑戦し、それを土産に福岡空港から帰京致しました。全日程とも穏やかな陽気に恵まれ、一部風邪を引いて辛い思いをした生徒も出てしまいましたが、全員無事帰京した事が何よりでした。

 

 一方、中学2年生は10/28(水)~30(金)の2泊3日、富士吉田市にあるホテル「エバーグリン富士」を借り切っての「English Camp」、こちらも3日間とも概ね好天に恵まれ、「英語で生活することで、英会話に対する抵抗をなくして、元気で明るく勇気を持って英語を使えるようにする。」という所期の目的を充分に達成し終了致しました。11人ずつ10グループに分かれ、それぞれにネイティブの講師が付いての2泊3日、28日(水)は行きのバスの中から、ハイテンションの外人講師にすっかり圧倒されると共に、当初抱いていた不安や心配もどこへやら、ホテルに到着する頃には、「Hello, how are you?」「How’s everything going」などの簡単な挨拶会話が飛び交っていたようです。今回お出で頂いたネイティブの講師陣は、何とこの夏のサマーセミナーで実施したエンパワーメントプログラムでファシリテーターを務めてくれたMr.Darry Wharton-Rigby氏ほか、アメリカ、カナダからそれぞれ2名、他はオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、アイルランド、フィリピン、コンゴ各1名の10名の方々で、その国籍も様々で、その分各国の伝統、文化、歴史、風習、食事、国民性等多様な異文化に直接触れることが出来る環境が整い、中学2年生の感受性を大いに刺激してくれたことと思います。私が視察に訪れた2日目(29日)は、来年修学旅行で訪問するニュージーランドでのHome-Stayを想定した「Home-Stay English」を午前、午後にわたり1~5までに分けて、様々な場面設定のもと繰り返し会話の練習をしておりました。普段教室では余り発言しない男子なども、講師の巧みな働きかけも功を奏して、積極的に発言していたのは実に印象的でした。これだけ見ても今回のイベントは十分な教育効果があったと思わせられました。その日の夕方は「Let’s talk about Japan」というテーマで、ニュージーランドのHost familyに日本の伝統、文化、食物、イベント、スポーツ等について説明するにはどうしたらよいかを丹念に繰り返し練習致しました。もちろん講師とのやりとりをしながら進めていきますので、生徒諸君にはかなりまだ難しい作業であったかと推測しておりました。そしてその夜から、最終日に一人ひとり行うプレゼンテーションに向けて「How to Make a Good Presentation」を「3 Basic Sections」(Introduction, Body, Conclusion)という型に分けてプレゼンする手法が説明されました。それに則って各自が興味関心を持っている事柄について、「Prepare for the Final Individual Presentation」するという段階に至りました。最終日、各自日本語で作文したものを英語に直したうえで暗記をし、みんなの前で発表したとのことですが、中には完全には覚えきらず、残念ながら多少メモを見ながらの発表という人もいたようです。それはそれとして要は努力のプロセスが肝心、少なくとも英語或いは外国人に対する苦手意識は払拭されたことと確信しております。

 10月30日(金)は いわゆる留守部隊、中1、3、高1は校外学習ということで、中1は、お台場にあるフジテレビにお邪魔して、10分間の「めざましテレビ」制作体験をしてきました。短時間の中で仲間と意思疎通を図り、精緻な情報を読み解く力を学ぶと共に仕事のやりがいを感じ取るという目的でのこれまたアクティブ・ラーニング的行事でしたが、皆緊張感の中にも明るく楽しく貴重な体験をしてきたようです。中3は、来年2月に迫っているニュージーランド修学旅行で、彼の地の人に日本の歴史、文化等紹介するための参考にということで、東京都心の浅草(浅草寺)界隈の散策、スカイツリー見学、秋葉原散策等、外国人に人気のスポットを巡り、現地で伝達すべき情報を仕込んできました。高1は、来年度の修学旅行の予備的学習ということで、鎌倉を中心にグループでの見学実習をしてきました。どこも小春日和を思わせる穏やかな陽気の中、ある種の解放感を感じながらも有意義な見学実習となりました。

(今回は、上記各種行事の模様を本校のHP上で豊富な写真と共に紹介しておりますので、この記事では写真の方割愛させて頂きましたことご了解ください。)